213 ニコゴンダンジョン 1
ニコゴンダンジョン第3階層
フロアボスのツインヘッドシルバーウルフを相手に8人の少女達が戦っている。
ツインヘッドシルバーウルフは聖級の魔物だ。
聖級冒険者8人がかりなら間違っても不覚を取る事はないだろう。
ゼペック爺さんとクッキーはキル達に守られながら少女達の戦いを見守った。
「イケ!そこじゃ!」
少女達の戦いを応援しながら思わずパンチを出したりするゼペック爺さん、だいぶ若返ったような気がする。
クッキーは心配そうに祈りのポーズで少女達を見守っている。
グラ達は彼女達の勝利を疑っていないのでリラックスしながら時の過ぎるのを待っている感じだ。
そして彼女達が勝利するまでにそう長くは待たなかった。
「余裕だったね。」とキルが声をかける。
聖級1匹に対してこちらは聖級8人なのだから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
「当然であるな」
ユミカが満足そうに胸を張る。
背も高く成長の早いユミカはもう大人のような体型だ。
「8人がかりなら余裕っすよ」
ケーナも得意げだ。
「これからはゼペックさんとクッキーを守りながら第4階層を進んで行くけれど、いつものように俺とグラさん達4人は5階層、6階層を目指すから2人を宜しく頼んだよ」
キルが少女達の顔を見回す。
「任せて下さい。2人のことはしっかり守りますわ」
「だいーじょうぶーよー」
「きっと2人のレベルも今より上がりますよ!」「うん。うん」
「2人ともそこそこ強いんだよ!」「そこそこは余計。」
モレノをルキアがたしなめる。
「大丈夫そうだな。よし、先に進もう」
『15の光』は第4階層を進み出した。
第4階層に出没する魔物は鎧竜だ。防御力が高く武器が傷んでしまいやすい事を失念していた。
鎧竜を相手にするのなら皆んなの武器をグレートアップしておいた方が良い。
今回は武器を壊す前に4階層の探索は見送って3階層に戻ることにした。
今回は第3階層で狩りをしてもらいダンジョンから出たらミスリルの剣などを手に入れに行こう。
クリス、ケーナの指揮の元、少女達には前回同様第3階層で狩りをしてもらった。
グラ達とキルは第6階層を目指して進んで行く。
前回エンシェントドラゴンを一度倒しているので⭐︎7の魔石でユニークスキル経験値10倍のパッシブスキルを身につけているキルだ。
今度エンシェントドラゴンを倒した時の経験値は相当大きい(2000の10倍=2万)。
トドメは自分がさしたいと思うキルだ。
第5階層のフロアボス、エンシェントドラゴンとの2度目の戦い。
一度戦って勝っているとは言えエンシェントドラゴンは強敵だ。
「気を引き締めていこう!」グラが掛け声をかけた。
キルは4体の王級精霊を呼び出す。
総攻撃が始まった。
30分の死闘の末キル達はエンシェントドラゴンを倒すことに成功した。
「ヨシ!」
キルは拳を握って討伐成功を噛み締める。
30分の戦いというものはそのくらい重く感じる仕事量だ。
「さて、第6階層の魔物は何が出るかな?」
グラが明るく言って第6階層に足を踏み入れた。
サキ達も続く。キルは遅れないようについて行った。
第6階層で出会った魔物はやはりレッドドラゴンだった。
グラさん達がレッドドラゴンと対峙する。
レッドドラゴンのファイヤーブレスをロムが盾で防ぎサキがフリーズボムで魔法攻撃をした。グラとホドは左右から切り付けている。
フリーズボムで頭部を凍らされて動きが鈍ったところを左右からグラとホドが切りまくる。
ほどなくレッドドラゴンは煙と共に魔石に変わった。
それほど苦戦する感じはない。
レッドドラゴンの相手をするなど4人にとってはもう軽いものだった。
分かれ道になるとキルは4人と分かれて王級精霊4体を召喚した。
そして4体を先行させる。
王級精霊4体がレッドドラゴンを倒しキルはその後をついて行く。
そしてまた分かれ道で、精霊達とも分かれて1人別の道を行く。
精霊達の分と合わせ、2チーム分の経験値を10倍獲得のスキル持ちがゲットすると通常の20倍。4人組のグラ達の80倍だ。1チームが同じ数の魔物を倒したと仮定しての数字であるから実際にはそうはならないかもしれないが。
キルは第6階層を動き回りマッピングしながら討伐経験値を稼ぐ。
運が良ければこの階層なら宝箱を発見できるかもしれない。
フロアボスを見つけたらグラ達と情報共有だ。
6時間の狩の後でエンシェントドラゴンの前でグラ達と待ち合わせだ。
エンシェントドラゴンの復活を待って3度目の討伐を行う。
エンシェントドラゴンを倒し今日は早めに少女達と合流して野営の準備をすることにしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます