212 ユフリンをベースに
ユフリンギルドに依頼を終えたメンバーが集合した。
時間が早いので本日2度目の依頼を受けることにした。
もう面倒になって受付で直接残り物依頼を3つ見繕ってもらう。
そしてグラの指示通りに3チームに分かれて依頼に向かった。
そして夕刻にはギルドで集合して宿屋に帰った。
こんな事を5日続けおおよそ誰もがやりたがらなかった低賃金の割に高難易度の依頼が無くなった。『15の光』にしてみれば全部低難易度の依頼ではあったのだが。
そしてその日には冒険者ランクもパーティーランクもCに上がっていた。
ユフリンギルドからは溜まっていた依頼を片付けてくれた優良パーティーとして感謝の目で見られている。
夜は温泉に浸かって美味しい料理に舌鼓を打つ。クッキーも料理をしないで羽を伸ばしていた。
「ユフリンギルドの依頼も古いものはなくなったしそろそろニコゴンダンジョンのエンシェントドラゴンを倒してその先に行ってみたくありませんか?」とキル。
「そうね。私も今の狩りはつまらなかったのよ。もっと強いのと戦いたかったの。エンシェントドラゴンの先って事は第6階層になるのかしら?」
サキがフロアボスを思い出しながら階層数を数えた。
「どんな魔物がいるのかね?」
グラがワクワク顔でキルを見る。
ロムがニヤリと笑いながら予想を口にした。
「ドラゴン種ならレッドドラゴンじゃろうな」
ホドもロムの意見に頷いた。
「良いわね、そのくらいじゃないとやる気が出ないわ」
サラはギルドの依頼では相手が弱すぎて面白くなかったようだ。
王級の冒険者の実力はレッドドラゴンと同じくらいとされる。
もし第6階層の魔物がレッドドラゴンだとすると4対1なら問題なく勝てるだろう。
キルも単独で倒せるはずだし王級精霊をつかっても余裕のはずだ。
つまり第6階層で3チームに分かれてフロアの探索ができるという事だ。
キルはユニークスキル経験値10倍の効果で相当な経験値獲得が期待できるだろう。
⭐︎6の魔物を1匹倒せばおおよそ1200の討伐経験値が得られるのでキルは10倍効果で12000の討伐経験値が得られることになる。
神級冒険者に進化するにはレベル100万、討伐経験値が1000万必要だからキルは残り900万弱の経験値を稼ぐのに800匹くらいの⭐︎6魔物を倒せばよいことになる。
上手くすればこのダンジョンアタック中に進化が可能かもしれない。
サラの言葉を受けて少女達も同意だという表情を見せる。
特にユミカはダンジョン行きに大喜びだ。
ユミカがバトルジャンキーというわけではないけれどBBB程度の魔物では物足りなくても仕方がない。
「ダンジョン内での食事には私が腕を振るいますからね!」
クッキーも久しぶりに料理の腕を振るいたいようだ。
この前新しい料理が作りたいと言って色々買い込んでいた物が役に立つ時が来たのだ。
明日はニコゴンダンジョン攻略に行くことになって皆んなのテンションが上がっているのがわかった。
ようするにギルドの余り物依頼はつまらなかったのだ。
* * *
緑山泊
「クリープから連絡があったようだね。ジルベルト」
ゾルタンはニコニコ上機嫌だ。
キル達の様子がわかるに違いないと、楽しみにしているのだろう。
「はい。ゾルタン様御贔屓のキル君達について連絡が入っていますよ。」
ジルベルトが答える。
近くにはゼットや、ドラゴンロード、ピンチュンもいる。
彼らはすでに緑山泊にもどってきていた。
ドラゴンロードとピチュンはハーメルン殺害の犯人だ。
ゼットは犯罪者にはなっていない。賞金首を殺しても賞金こそもらえるが罪にはならないのだ。
3人に限らずその場にいる緑山泊幹部がジルベルトの話に聞き耳を立てている。
キル達のその後に興味があるのだ。
「彼らは今ユフリンギルドの仕事をしているようです。今のところ穏やかな日々を送れているようだと書いてありました」
ゾルタンは深く頷いた。
「穏やかに暮らしていけるのが1番良い事だね。今のところ彼らを狙う者の動向はわかっていないんだね。」
「そうですね。今のところ無いということですね。」
周りではゼットもドラゴンロードのペケもにこやかに笑った。
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