208 教皇ルミナス 2
6人の聖騎士が剣を抜いてキル達5人の周りを囲む。
キルはストレージから盾を取り出しヘイトテイカーを唱えた。
6人の攻撃が吸い寄せられるようにキルに集中した。
「シールドバッシュ!」
キルは6人の聖騎士を次々に吹っ飛ばした。
ゼペック爺さんが軽いフットワークでシャドウボクシングの様にパンチをして見せた。
実際に戦っても負けないだろう。
6人の聖騎士は壁にぶち当たってすでに戦闘不能になっていた。
神父と信者達は壁際に張り付いて腰を抜かして震えていた。
「バカな!こいつらは上級聖騎士だぞ。上級聖騎士6人をあっというまに戦闘不能にするとは?有りえない、貴様本当にスクロール職人か?」
ルミナスが愕然とした顔で怒鳴り散らした。
「バカな!有りえんことだ。こんな事有りえん。」
「俺は冒険者キル。これに懲りたら俺達に手をだすな!…と大教皇に言っておけ」
キルが教皇ルミナスを脅しつける。
「バカな!だが一度倒したからと言って良い気になるなよ。ハイヒール!」
ルミナスが聖騎士を回復させる。
「ハイヒール!ハイヒール!ハイヒール!ハイヒール!ハイヒール!」
魔力を使いすぎて腰を下ろすルミナス。
「お前達あれを使え!」
ルミナスの指示で聖騎士達が皆薬を取り出し飲み込んだ。
「「「ぐわーーー」」」
うめき声を上げながら聖騎士達の体が光に包まれ基本のステータスが10倍に跳ね上がる。
「ははは、見たか、これぞ教会の秘薬バサキュリオンの力、いけ!聖騎士達!」
「ばき!どか!ゴーン!」3人の聖騎士がまたまた吹っ飛ばされて壁にめり込み意識を失った。
聖級拳闘士ユミカが一気に3人の聖騎士を殴り飛ばしてしまったのだ。
「なんだ、たいしたことないであるな!」
「ナニ〜、ありえん!ステータスが10倍になっているはずだぞ」
ルミナスがわめいた。
「ガッツ、ガチ、ドカーン」
次の瞬間キルが残りの3人の聖騎士を殴り飛ばして壁にめり込ませていた。
聖騎士6人は再び戦闘不能だ。
「可哀想だから優しくしておいてあげたよ」
「し、し、信じられん。嘘だ!ありえん!」
騒ぐルミナス。
「さて、帰らせてもらおうかのう」
ゼペックが悪ーい顔で言った。
踵を返して帰ろうとする5人。
別にルミナスを痛ぶるつもりはないのだ。
「待て!!」
ルミナスが大声をあげる。
「教会の至宝光精霊の召喚石の力を見よ!」
ルミナスは懐から大きな魔道具(光精霊の召喚石)を取り出し魔力を込めた。
ルミナスの背後に光の特級精霊が召喚された。
「はははは!見たか、これぞ特級光精霊!神の御使!この神々しき姿にひれ伏せ!馬鹿ども!あははははは!」
キルが振り返りストレージからミスリルの剣を取り出すとその剣に魔力を込める。
キルは光の精霊に斬りかかると一瞬の内に無数の斬撃を喰らわせた。
光の特級精霊は光の泡となってきえさり、ルミナスの持つ魔道具がボロリと割れて崩れその手元から落ちる。
「ばかな!石が!教会の至宝が!え!!特級精霊だぞ!ばかな!ばかな〜!!」
キル達は再び踵を返して今度こそ教会を出て行った。
「ばかな!信じられん!………ばかな!」
膝をつき頭を抱えて天を仰ぐルミナスがそこにはいた。
「全く、奴らのおかげで街を楽しむ事ができなかったのう。」
ブツブツ文句を言うゼペック爺さんは、何故か上機嫌のようにみえた。
5人は宿屋を目指して歩いて行った。
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