191 緑山泊で宴会を
緑山泊に移動したレスキューハンズ一向。
緑山泊では歓待の宴会が開かれた。
中央奥に1人ゾルタンの席があり、左右にレスキューハンズの席と緑山泊の席が並んだ。
レスキューハンズ側は上座からゼペック、ケーナ、クリス、キル、グラ、ロム、ホド、サキ、エリス、ユリア、ユミカ、マリカ、モレノ、ルキア、クッキーの順だ。
緑山泊側は、知恵の泉のジルベルト、慈愛の光のソンタク、バーサーカー・ロメオ、
移動砲台・バックドカン、抜け忍・クリープ、女嫌いのウェンツ、ヤンゴン
トクダゼ(兄)、トクダロ(弟)、トクダナ(末弟) 将軍崩れのアルベルト、
賞金稼ぎ・ゼット、暴れ竜・ドラゴンロード(本名 ペケ)
元王国軍槍使い隊師範・ピンチュン、ライガー瞬殺の特級拳闘士シン、
謎の大剣使いガングル の順に席が並ぶ。
次々と山海の珍味が運ばれて美味しいお酒や果物から作られたジュースなどがつがれる。
「こんな山の中ゆえたいした料理は有りませんがどうかご堪能ください」
ゾルタンが言った。
「いえいえ。これほどの料理や酒や飲み物をご用意くださりありがとうございます」
グラが感謝の意をあらわす。
「ではこの辺で我々の簡単な自己紹介を始めようと思います。まずは私から」
ゾルタンが酒を一口口にする。
「不死のゾルタンの話はご存知かな。私はこれでも200年以上生きている。
まあ、化け物なんでしょうね。
不老不死の呪いというやつにかかっていて死ねないからだになっているんです。
教会によって地下牢獄に閉じこめられていたのを救い出されたところを緑山泊のみんなに助け出されて今ではここの棟梁をしています」
ゾルタンが次の相手ジルベルトに目配せをした。
「私はジルベルト、ここでは知恵の泉と呼ばれている。
元ベルゲン王国作戦参謀補佐だ。訳あって罪人になったが俺は悪事は働いていない。
以上」
「続いて通り名は慈愛の光、ソンタクだ。特級聖職師で、教皇に殺されかけてスタインブルクから逃げて来てここにいる。ここは逃亡者の楽園だぞ」
「バーサーカー・ロメオです。俺は…バーサーカ化して村の者を皆殺しにしちまって」
ロメオの声が小さくなっていった。
「通り名は移動砲台のバックドカンだ。
魔法で誤って王国火薬庫を大爆発させて国家反逆罪で投獄された。
自業自得だが緑山泊の仲間に救出されてここにいる」
「通り名は抜け忍。クリープ。暗殺家業が嫌になってここに来た」
「女嫌いのウェンツだ。 元パーレン侯爵領騎士団長で特級騎士だ。
パーレン侯爵と妻が不倫をしてな、バレたら俺を無実の罪に陥れやがった。
だから俺は女が信じられん。
死刑になる所を親友のヤンゴン副騎士団長とトクダゼ3兄弟に助けられ緑山泊に来た」
「ヤンゴンだ」
「トクダゼだ」
「弟のトクダロ」
「末弟のトクダナだ」
ウェンツは女運は悪かったようだが男友達には恵まれたようだ。
自己紹介はまだまだ続いた。
「賞金稼ぎのゼット。ここが気に入ったからいる事にした。犯罪は犯していない」
「俺様が暴れ竜ことドラゴンロード様だ。力加減を間違えて人を殺しちまってここに来た。悪気はなかったんだがな」
「元王国軍槍使い隊師範。ピンチュン」
「拳闘士シン」
「剣士のガングルだ」
キルがゴリアテの手紙をガングルに渡す。
「ゴリアテさんからガングルさんに手紙を預かっています。俺たちの事が書いてあります」
ガングルが手紙を読んで苦笑いをした。
「ゴリアテもお節介だな。しかもなんの役にも立ってないときた」
「何が書いてあったんだ?」とジルベルトが聞いた。
「ああ、追われる身だからよくしてやれとさ」
手紙を渡すガングル。
緑山泊の人たちの自己紹介が終わり次はレスキューハンズのメンバーの番だ。
名前を言って自己紹介をした。
「大丈夫。詳しい経緯までは聞くつもりはないですよ。しばらくこの地で安心してお過ごしください。身分証ができたらお渡ししますから」
不死身のゾルタンが丁寧に言った。
それから1週間毎晩宴会が催された。
その間キル達は不快な思いをすることもなく快適な日々を過ごすのだった。
キル達は1週間後身分証を受け取り緑山泊を後にした。
「長居をしてしまいご迷惑をおかけしました」
「いえ、こちらが望んできていただいたのです。むしろこのままずっといていただいてもよろしいのですよ」
ゾルタンがにこやかに言った。
「ありがたきお言葉ありがとうございます。ですが我々は予定通りロマリアを目指します。それではこれで失礼します」
グラが別れの挨拶をして緑山泊を後にする。
キル達を見送るゾルタンにジルベルトが小声で言った。
「大丈夫ですよ。彼らは必ずここに戻って来ますから。
ここ以外に彼らの安住の地はないのですからね」
そしてジルベルトはクリープに目で合図を送る。
一瞬でクリープの姿は消えていた。
そしてゼットが歩き出す。
「ちょっと用事ができた。少し出てくるぜ」
緑山泊のメンバーがニヤリと笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます