190 接触

西に馬車を走らせるキル達だった。


「前方に相当強い一段が待ち構えていますね!」

キラが索敵で掴んだ情報を御者台の上から叫んだ。


「この辺は緑山泊も近い。もしかすると緑山泊の連中か?」

グラが顔を出して御者台に移動する。


「わかりませんが、その可能性は大きいかもしれませんね」


「要注意じゃな」

ロムも顔を出す。


「道を変えると言っても一本道ですし、引き返しますか?」


「50人はいるな。少なくともほとんど上級以上だ」

腕を組むグラ。


「手紙を渡されていたな。それで話はつくのか?」


キルは暫く考えてから返事をする。

「こちらが緑山泊を討伐に来たのでは無いことがわかれば見逃してくれるでしょう」


キルは馬車を走らせ続けている。


「戦って勝てない事はないけれど…」

グラも悩んで結論が出せない。


サキも顔を出す。

「面白そうじゃない。少し体を動かしたかった所なのよ。

緑山泊、退治しちゃいましょうよ」


「ゼペックさんもクッキーちゃんもおるのじゃぞ、軽くいうでない」

ロムは反対する。


ロムの意見を受けてキルは馬車を止めた。

ここから引き返す事はできなくはないだろう。


「引き返すかどうか?この辺で決めましょう」


「う〜〜む。」

眉間に皺を寄せるグラ。


ロムとサキがグラの顔を見つめる。




止まった馬車の前に矢文が飛んできた。

キルとグラが顔を見合わせる。


キルが手綱を握りグラが矢文を回収に行った。


手紙をパシっと広げ読み出すグラ。


「パリスで牢破りをして来た御一行とお見受けする。

緑山泊と友誼を結ぶつもりはござらぬか?

幹部のもの一同がこの先にてお待ちしております。

心配なさらず参られよ」


グラが声を出して読み終えると周囲を見渡して叫んだ。

「姿を見せろ!」


グラから2mほど離れたところに黒装束の忍者が跪いていた。

背中には忍者刀を背負っている。


「宜しければ先導いたします」

女の声だった。


グラが御者台の3人に目配せをしてから答えた。

「頼む」


「ハ!」

踵を返して歩き始める忍者。


グラが御者台に戻り馬車はゆるりと進み始めた。

ロムとサキは暫く首を出していたが馬車の中に戻った。




後をついていくと緑山泊の中心メンバー達が待っていた。


「私は緑山泊棟梁、ゾルタンと申します」


その名を聞いてグラが冷や汗を垂らしながら小声でつぶやいた。

「不死身のゾルタン…本当にいたのか。本物か?」


キルは知らなかったがグラはゾルタンの事を知っているらしい。

不死身のゾルタンの話は200年以上前からたくさん語り継がれていたのだ。


ゾルタンは続ける。

「しばしの間緑山泊で休んではいかがでしょう。

歓迎の宴を用意しております。

それに、ロマリア王国に行かれるのでしたらこの先の検問を抜けるための身分証などもご用意して差し上げますよ」


「偽の身分証ということか?」


「偽の身分証ですが本物の身分証とも言えなくもない。

ギルド内に協力者がいるのでね、本物のギルド証が自由に作れるのですよ。ふふふ」

ゾルタン怪しすぎる、というか緑山泊とんでもね〜。


ギルドの身分証ってザルだった事を思い出す。


身分証は今手に入るなら喉から手が出るほど欲しいものには違いない。


グラは緑山泊に立ち寄る事にして良いか…とみんなの顔を見回す。

ロムもサキも頷いた。


「ご厄介になります。ギルド証の方、よろしくおねがいします」

グラ返答をする。


ゾルタンはニッコリ笑って言った。

「それでは緑山泊までご案内いたしましょう」




ーーーーーーーーー緑山泊の人たちーーーーー



 緑山泊棟梁 不死のゾルタン  

      

    ゾルタン 不老不死の呪い  中級騎士 年齢不明(200年以上)

    魔物扱いされて教会によって封印(幽閉)されていたが緑山泊により救出

    以来、請われて棟梁になる。

     

  知恵の泉 ジルベルト 元王国作戦参謀補佐 才能を妬まれ陥れられる

      (ユニークスキル)シミュレーション  中級剣士


  慈愛の光 ソンタク (ユニークスキル)サンクチャリヒール:願っている間

                攻撃無効空間の継続ヒール 特級聖職師

         教皇に殺されかけて逃亡(スタインブルク)


  バーサーカー ロメオ  王級拳闘士  巨漢の太っちょ

           緑山泊の最終兵器(ソンタクとのコンボ)

           バーサーカーの呪い 

         気の弱いお人好し冒険者だったが

         一目惚れの女性に告白して振られてバーサーカー化

       村を滅ぼし投獄、緑山泊のメンバーにより救出され今に至る。


  移動砲台  バックドカン  特級魔術師 

            誤って王国火薬庫を大爆発させ国家反逆罪で投獄。

            緑山泊によって救出され今に至る。


  抜け忍  クリープ(女 忍者装束)  特級アサシン 

         アサシンの一族に生まれ一族指折りのアサシンだったが、

            悪事を嫌い緑山泊へ


  女嫌い  ウェンツ  元パーレン侯爵領騎士団長 特級騎士

         パーレン侯爵と妻の不倫が原因で無実の罪に陥れられる。

         死刑になる所を親友のヤンゴン副騎士団長、トクダゼ3兄弟

         らに助けられ緑山泊へ


  ヤンゴン  特級騎士  ウェンツとともに緑山泊へ


  トクダゼ(兄)、トクダロ(弟)、トクダナ(末弟)

           上級騎士  元パーレン騎士団団員


  将軍崩れ アルベルト  元スタインベルク将軍 特級聖騎士

            元々大教皇に嫌われていたが ロマリア王国戦の

            敗戦責任を取らされ牢獄へ、脱獄して今に至る


  賞金稼ぎ  ゼット  特級剣士 

            賞金を稼ごうとアルベルトと戦い引き分ける。

            依頼意気投合して緑山泊へ


     

  暴れ竜 ドラゴンロード(本名 ペケ) お調子者 上級盾使い

            ケンカで力を入れすぎ誤って人を殺してお尋ね者に


  元黄燐山住人

      元王国軍槍使い隊師範特級槍使いピンチュン、


      ライガー瞬殺の特級拳闘士シン、


      謎の大剣使いガングル  一時『谷間の百合』 

                 討伐レベル15万以上の上級剣士  大剣 


      

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