157 天剣のキラメキとレスキューハンズ 6
「やりましたね。」
キルが言った。
「勝ったのね。」
「そうじゃのう。」
「、、、、、」
「最後のあれ何?」
グラがキルに問う。
「夢中で剣に魔力を流したらああなりました。」
「、、、、、」
沈黙が流れる。
「まあ、、、良いじゃないですか。」
「まあ、、、良いか。」
皆んなレッドドラゴンとの戦いでだいぶ疲れたようだ。
「はい。魔石。」
サキがキルに魔石を渡した。
「⭐︎6の魔石って卸値2000万だったわよね。5当分で1人400万。返済ね。」
「了解です。」
「チョッと疲れたわね。」
「5階層の魔物だけチェックして行きませんか?」
キルは5階層の魔物だけでも確かめたいと思っている。
「キル君は凄い魔石が材料として必要なんだよね。」
グラの問いかけにキルが答える。
「はい。強い魔物の魔石ほど、なかなか売っていないもので、自分で狩って手に入れるのが手っ取り早いんです。」
「じゃあ5階層の魔物の魔石もたくさん欲しいよね。これから5階層の魔物を狩るとして、その前に少し休んで回復しよう。」グラは皆んなの様子を見て休憩を提案した。
1時間ほど休憩してから第5階層に入ることになる。
サキがキルに寄ってきて、
「キル君て、メンバーのうちでどの子がタイプなの?」
キルは驚き顔を上げる。
「え! タイプ、、、、ですか?」
「好きな子とかいないの?」
「あーー。 」
サキの目尻がメチャ下がっている。
「考えた事、、、なかったんで、、、。」
「フーーン。 じゃあ、今考えて。」
「そうですねー。皆んな綺麗だと思いますよ。それぞれ個性があって。」
「キル君て、、、男の方が好きなの?」
「イエイエ! そんな事ないですよ。それは全く無いです。」
キルは慌てて否定する。
「正常なのよね??? じゃあ、好きな髪の色は?」
「、、、、、特に、、、何でも良いですよ。」
「じゃあ、長い髪と短い髪ではどちらが好きなの?」
「長い方が好きなのかな?でも、、、似合ってれば短くても好きかな?」
「目の色は?」
「え! 特に気にしたことは。」
「じゃ、胸は、胸は大きい方が好き?」
顔を赤るキル。
「え、、、」
「あら、胸には反応するのね?」
「え、ちょっと恥ずかしい、、、から。」
「大きい方が好きなの?」
「大きくても、、小さくても、、」
胸は好きなんだ〜。キルは一応正常に男でなく女の子のことは好きだろうと思うサキ。
「こんなに可愛い子達に囲まれてるのに好きな子もいないの?」
「だから、、そいいうのはなかったんで〜。思いもよらず〜。」
「フーーン。」
コイツ、ボクネンジンか?人に興味が無いやつか?
女の子達の気持ちはまるで興味ない?まだお子ちゃまなのかな?
「強いて言えばどの子がいいのよ? ねえ、キル君?」
「えーー。」
「強いて言えばですか?????」
「強いて言えばーーーーン。」
「サキさん、、、?」
「ピエッ!」
横を向いて真っ赤にして頬を両掌で覆うサキ。
横で耳をすましていたグル達3人が『ブフッ』と吹き出す。
『キッ!』と3人を睨みつけるサキ。顔は真っ赤だ。
両掌で防御態勢を取りながらグラが言った。
「強いて言えばだからな、強いて言えば。今まで考えた事なかったって事だぞ。」
「うるさいわね!」
腕を振り上げるサキにグラ達3人は腰を上げて距離を取る。
キルも引き気味になっていた。
一休みを終えて5人は5階層に入って行った。
先頭はキルである。
そして5階層の魔物に初遭遇する。
「その角を曲がった所にいますよ。気をつけてください。」
キルが先頭から皆んなに注意を促す。
キルが角のところに達すると覗き見てから飛び退いた。
キルの眼前を冷凍ブレスが通り過ぎる。
ブルードラゴンか?
通り過ぎる冷凍ブレスを目にして緊張が高まった。
ブルードラゴンが徘徊している可能性は考慮していたがいざとなるとドラゴン相手は気が重い。
「ライデンザンダー」
キルが麻痺を狙って電撃魔法を撃ち込む。
そしてブルードラゴンに向かって猛ダッシュ、麻痺の間に近接戦闘に入りたい。
黒焦げのブルードラゴンに光り輝くミスリルの剣で斬りつける。
サキが風魔法で切り付けグラ達3人が続いて斬りかかった。
ロムのシールドバッシュがトドメとなって爆炎とともにブルードラゴンが魔石に変わった。
グラが⭐︎5レベルの魔石をキルに手渡した。
「帰りにレッドドラゴンを倒すのは楽じゃないから復活前に4階層に戻ろう。」
グラがキルに言った。
確かにレッドドラゴンとやり合うのは万全の状態で臨みたい。
ブルードラゴンとの戦いでメンバーが欠けていたらレッドドラゴンを倒せず戻れなくなることも有り得る。
「そうですね。その方が安全だと思います。」
キルもグラの意見に賛同した。
そして5人は5階層の狩りを続けるのだった。
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