156 天剣のキラメキとレスキューハンズ  5

翼をはためかせ爆炎をはらうレッドドラゴン。


ドラゴンが視界を確保したその瞬間にキルの二の太刀が放たれた。


レッドドラゴンの鼻面に雷光神剣が炸裂する。


再び麻痺するレッドドラゴン。


そして5人の集中攻撃だ。


5秒間麻痺するかと思っていたキルにドラゴンの腕が動きキルは振り払われる。


麻痺が4秒で切れたのだ。


キルは強烈な打撃を受けて吹っ飛ばされた。


天剣の4人は飛び退いて事なきを得た。


ダンジョンの壁に叩きつけられて大ダメージを受けたキルだがエクストラヒールを唱えて復活する。


「ヤッベ! 危なく即死してしまうところだぜ。」

キルはそういうと剣を握り直した。


「大丈夫かキル!」

グラの声。


「大丈夫です。」

キルはそう言いながら戦列に復帰する。


レッドドラゴンがザマアミロとでも言うようにキルを見つめた。


精霊達が再び魔法攻撃を放ち轟音と共に煙に包まれた。


キルはもう一度雷光神剣を放とうとしてきずく。


ドラゴンブレスが来る!

煙の中でレッドドラゴンがドラゴンブレスの予備動作に入っていたのだ。


咄嗟にブレスを止めようとマシンガン爆裂バレットをドラゴンの口にめがけて連射した。


態勢を崩しても止まりそうに無いドラゴンブレスの前に拡大シールドを展開。


ドラゴンブレスが至近距離でシールドに打ち当たり大音響大爆発と共にシールドを打ち破った。


キルの前に大楯をかざしてブレスを受け止めるロム。


グラ、ホド、サキはブレスの範囲から走って逃げ切っていた。


「有り難う御座います。」


キルのその声にニヤリと笑うロム。


グラがドラゴンに飛び込み大上段から斬りつけた。

「天山烈斬剣!」


グラのミスリルの剣が今までに無く輝く。

グラの必殺アーツに違いない。


受け止めたドラゴンの爪が切り飛ばされてとんでいった。


グラのことを見るドラゴンの横顔にサキの風魔法攻撃がぶち当たる。

ドラゴンはうざったいなあという表情だ。


精霊達がまた魔法攻撃を行った。

そしてキルはまた雷光神剣を喰らわせる。


ドラゴンが麻痺してその刹那に総攻撃、たったの2秒でドラゴンは動き始める。


麻痺の時間がまた短くなっている。


麻痺に耐性ができだしているのだろうか。


「どうする?」


「どうする?」


「どうする?」


キル、グラ、ホドが叫ぶ。


無口なホドがさけんでる。


「切り続けるだけじゃろう?ホド。」

ロムがさっきのホドの言葉を口にした。


「そうだったな、すまん。」


キル、グラ、サキが頷いた。

とにかく相手にダメージを蓄積させていくだけさ。


キルは電撃に見切りをつけて別の魔法攻撃を試みた。


「絶対凍土フリージア!」

凍結魔法をドラゴンに仕掛ける。


ドラゴンの足元から凍結が始まった。

レッドドラゴンは口からチョロチョロ炎を出して凍結を溶かそうとする。

多少の火傷は仕方がないというところだろう。


その隙にグラ達はドラゴンを斬りまくった。

ドラゴンの鱗がまた少しずつ削られていく。


足の自由を取り戻したドラゴンは回転しながら長く太い尻尾を振り回した。

すかさず距離を取るグラとホド。


ロムが大楯で尻尾の攻撃を自ら受けて飛ばされた。おかげでサキは無事である。

キルがロムをエクストラヒールですかさず回復する。


「有り難うよ♪」ロムはすぐさま戦線に復帰した。


ドラゴンの隙を窺うグラとホド。


精霊達がまた魔法攻撃を繰り返した。


と同時にキルが動く。


「煉獄の業火!」

キルが究極の高温でドラゴンを焼き尽くす。


炎に包まれたレッドドラゴンが不敵な笑いを浮かべた、ように見えた。

ドラゴンの表情は分かりずらい。


キルは炎から出てきたドラゴンに続け様に魔法攻撃。


「究極凍土フリージア!」


ドラゴンの足から『ビシ! ビシ!』という音と共に鱗が弾け飛んだ。


「ギャオオオーーーン」


レッドドラゴンの悲鳴。痛いという表情をしている気がする。


「ここだ!」


グラがすかさず斬りつけた。ホドもである。


グラとホドの剣はレッドドラゴンの足に大きな傷をつけ続けていた。

初めての有効打か?


レッドドラゴンは翼をはためかせて上空へ逃げようと試みる。


「重力超追加、」キルは重力魔法をレッドドラゴンの右翼だけにかけた。


レッドドラゴンはバランスを崩して1回転して墜落した。


『ズズズーーン』


地に落ちてうずくまるレッドドラゴン。


その身体に全員が攻めまくった。


翼と尻尾を出鱈目に動かして5人を追い払うレッドドラゴン。


5人は距離を取るとキルはすかさず魔法攻撃を繰り出した。


「ライデンザンダー!」


1本の稲妻がレッドドラゴンの体を貫いた。


レッドドラゴンの身体が光に包まれる。


「ビッズガガガーーーーン」


レッドドラゴンの赤茶色の身体が黒く変わり煙をあげる。


ドラゴンの赤茶色の鱗がほぼ防御力を失った。


キルはレッドドラゴンの背に飛び乗りその背にミスリルの剣を突き立てた。


ミスリルの剣には思いっきりの魔力が注がれ刀身の輝きがその光は強く強くなっていく。


『ドカーーン』という音と共にレッドドラゴンの身体が煙と魔石に変わった。

レッドドラゴンを倒したのだ。


5人はヘナヘナと腰を落とした。

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