155 天剣のキラメキとレスキューハンズ  4

翌朝キルはまた天剣のキラメキと出発した。


ツインヘッドシルバーウルフはキルと精霊達で倒して4階層に進出。

二手に分かれて鎧竜の狩りを始める。


聖級精霊4体とキルが総攻撃すれば鎧竜も瞬時に魔石に変わった。

今日キルはフロアボスまでの道だけでなく、他の横道まで狩場の範囲を広げている。

つまり宝箱探しも合わせてやっているという事だ。


天剣の4人は昨日と同じように未知のルートを試しに通りながら狩りを続ける。

此方も狩りと宝箱探しのダブル目的の行動だ。


聖級4人の攻撃に鎧竜も長くは耐えられない。ドロンパ!と魔石に変わる。


ふたチームはサクサク狩りながら探索を進める。1日でマッピングは済んだ状態だ。

二つ目の宝箱はみつからなかった。


1日でキルは80体、天剣は70体の鎧竜を倒していた。夕刻また3階層に戻るためにツインヘッドシルバーウルフを倒して3〜4階を繋ぐ。

キルはキッチリ6時間おきにフロアボスを倒している、


8人の少女達と合流して1番喜ぶのはサキのようだ。

もうすっかり同一パーティーの仲間のような状態になっている。

なんの話で盛り上がっているのだろうか?


おじさん3人も何かと少女にちょかいを出してはいるがサキにジト目で睨まれ恐れをなしてすぐに引き返してくる。何とも微笑ましい光景である。


キルは暇があればストレージ内スクロール作製を行って寝るまでにはMPを使い尽くしている。


今ではスクロールを作る速さはものすごく早くなっていた。


とは言えMP数十万の余りMPを使いキルには瞬時というわけにはいかない。

それなりに色々なスクロールを作るのに時間はかかるのだ。


それにボス戦に備えて使えそうなスキルを探すのにも時間がかかっている。


こういう時のキルはただボーっとしているように活動停止しているので周りから不思議に思われていた。


「時々活動停止してるのよね〜。」なんてみんなから思われていたりもするのだった。


今までは寝てる時とかを利用する事が多かったが、少女達がサキと一緒にいる為にキルが1人になると、、(おじさま達が女子にチョカイを出しに行くと)キルは停止しているように見られている。


5日の間この調子で鎧竜を狩っていたが6日目には4階層のフロアボスに挑むことになった。



6日目、フロアボスの近くまでやってきて5人は気合いを入れ直した。

今までは余裕の戦いをしてきたが、これから望む相手は決して安全な相手では無い。

命懸けの戦いになるのだ。


キルは身体じゅうに血がグルグル駆け巡っているのがわかった。

肩にジンワリと圧力を感じる。


プレッシャー、、、というやつだろうか?

だが胸にはワクワクとした落ち着かなさが有る。


楽しみにしていたのだ、、、と身体が騒ぎ立てていた。


キルはニヤリと唇の端をつり上げた。


「行くぞ。」グラの声に反応して一歩前に歩き出した。


目の前にフロアボスの姿が見えて来た。


レッドドラゴン。


全身が赤茶色の分厚い鱗に覆われ、背中に大きな翼を持ち太く長い尻尾がその体のバランスをとっていた。


それは確かに初めに想定したレッドドラゴンだった。


5人がドラゴンの前に並びドラゴンとの間に火花が散ったような気分である。


キルは4体の聖級精霊を召喚して戦闘態勢をとった。


レッドドラゴンは4体の聖級精霊を見ても表情をかえない。ような気がする。

ドラゴンの表情ってそもそもわかりにくいよな。


沈黙の時間が続き長い時がたったように感じたたった数秒の後、「ビュー、ズガガ、グワーン、フュン」という複雑な轟音と共に4体の精霊が魔法攻撃を始めた。


ドラゴンが煙に包まれ翼を一羽ばたきしてその煙を拭き払った。

そこには無傷のレッドドラゴンがいた。


「フン!」と一瞥したように見えるドラゴンの表情。

ドラゴンの表情ってわかりにくいよね。


キルは気づくと手が汗で濡れていた。


背中のミスリルの剣を抜き両手で正眼に構えると剣に魔力を流し始める。

わずかだが剣身が輝き出した。


グラ、ホドも剣を抜き、ロムは大楯を構える。サキは杖を構えていた。


「カーーー!」

キルは雄叫びと共にドラゴンに斬りかかる。


振り上げた強く輝くミスリルの剣を振り下ろし、その剣をドラゴンは右手の人差し指の爪で受け止めた。


『バキバキ!』


キルの剣から電撃の光が四方に走る。


聖級剣技雷光神剣である。

紋様辞典を探してレッドドラゴン対策に加えたアーツだった。


レッドドラゴンが雷撃による麻痺状態になった。


ドラゴンの顔に不快の表情?

「聞いてないよ〜」とでも言っているような?

ドラゴンの表情ってわかりにくいよね。


グラ達4人がすかさず連続攻撃を加えた。

1秒に10数発の連続斬り(攻撃)だ。


ドラゴンが麻痺していたのはたった5秒程度だったが50発✖️5人の連続攻撃。(サキは魔法なのでそこまで多くは撃てない)


ドラゴンの鱗が数枚ポロリと落ちた。


ドラゴンの表情はよく読めないが、、、。

「効いてないよ〜」という感じか?


イヤ、鱗が落ちたのだから少しは効いてるだろう、、、と思うキル。


精霊達の魔法攻撃がドラゴンを襲った。




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初級    ⭐︎1 魔法、アーツスクロール

中級    ⭐︎2 スキルスクロール

上級    ⭐︎3 ⭐︎1、2ジョブスクロール

特級    ⭐︎4 ⭐︎3、4ジョブスクロール

聖級    ⭐︎5 ⭐︎5、6ジョブスクロール

王級    ⭐︎6 ⭐︎7ジョブスクロール

神級    ⭐︎7 新スキルスクロール創造作製

            =ユニークスキルスクロール(1点もの)

          特殊ジョブ(勇者、賢者、聖女、etc・・・)スクロール


この設定をこの世界の人間は知りません。あくまで経験でできるできないを判断するのみです。該当レベルに達し作ろうとした時にできるできないがわかるようになります。

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