144 天剣のキラメキとキル 2
森の中を進んでいくキルと天剣の4人。キルが先頭でダンジョンまで案内している。
キルは索敵で魔物の気配を感知しながら警戒を怠らずに4人を案内した。
ダンジョンも近くなった頃、リザードマンが森にいることを感知した。
「リザードマンがいます。この先は要注意ですよ!」
「了解!」
「わかったわ。」
「任せい。」
「、、、、、」
先頭に盾使いのロムが移動して次にグラとホド後衛にキルとサラと言うフォーメーションに隊列を変えた。
「そのまま真っ直ぐに進んで下さい。ダンジョンはその方向です。」
ロムは大楯を構えている。
グラが小声で言った。
「リザードマンの気配を感知したぞ。キル君の索敵範囲は広いな。」
ホドも頷く。
グラとホドが剣を抜いた。サラとキルは魔法の準備だ。
精霊を召喚する必要はないだろうがキルは土の特級精霊だけ呼び出して先頭を歩かせた。
「ワシの仕事が無くなるのう。」
「イヤ、周りには何匹かいるから集まって来たらそうともいえないさ。」
グラがロムの油断を咎める。
「冗談じゃ。気は抜いておらぬぞ。任せい!」
「正面から来ます。続いて正面右、続いて正面左の3体。」
キルが叫んだ。
その時、正面で土精霊がリザードマンの引っ掻き攻撃を受け止めた。
ロムが左から来るリザードマンに視線を合わせている。
グラとホドが正面のリザードマンを切り刻む。
サラが左から来るリザードマンに風魔法攻撃トルネードカッターを打ち込もうとしていた。
キルも左から来るリザードマンに土魔法マシンガン爆裂バレットを撃ち込む。
無詠唱のキルの方が魔法の発動が早い。
近付く前に爆裂弾の雨を受けて立ち尽くすリザードマンにトルネードカッターがトドメの一撃を刺した。
グラとホドが切り刻んだリザードマンも絶命している。
右からきたリザードマンだけがロムの盾に攻撃を加えていたがもうグラとホドが背後を取っていた。
そして切り刻まれるリザードマン。勝負はあっという間についていた。
キルは3体の死体を素材としてストレージに収納した。
「ダンジョンの入り口はもう少しです。間にまだリザードマンが10数体いるようですね。」
キルの言葉に4人が頷いた。このパーティーならリザードマンくらいはものともしないだろう。
「まずはダンジョンの外に溢れているリザードマンを一掃しよう。キルは索敵で案内してくれよ。」
「多分このままダンジョンの入り口に向かっていけば集まって来ると思います。」
「行くわよ。」
サラの言葉でみんなが歩き始めた。
そしてすぐにリザードマンがこちらに気づいて寄って来るのがわかった。
「正面右から2体来ます。」
土精霊とロムが待ち受ける。
サラとキルは魔法で攻撃を開始した。キルのマシンガン爆裂バレットが2匹のリザードマンの足を止め2体は瀕死の状態で立ち止まる。
サラのトルネードカッターが2匹のリザードマンにトドメを刺した。
「続いて左から2体が来ます!」
「わかってるおるぞ。」
左からきたリザードマン2体を土精霊とロムが押さえ込んだ。
すかさずグラとホドが切り刻む。
「シールドバッシュ!」
ロムがアーツを使いロムに切り刻まれたリザードマンのとどめをさした。
もう一体もグラに切られて息絶える。
キルは次がやって来る前に4体を収納した。
「残りは7体だな。」グラが言った。
キルの索敵でも感じるのは7体だ。
そしてその7体は一斉にキル達に迫って来ていた。
グラの額に冷や汗が光る。7体同時に来られるとやや厄介だと感じているのだろう。
向かって来るリザードの群れに対してサキがサイクロンカッターを唱えお見舞いした。
サイクロンカッターが7体のリザードマンを包み込み大ダメージを与える。立ち上がって来るリザードマンのトドメは4人が近接物理攻撃で刺していった。キルもミスリルの剣に魔力を込めて切って回る。
リザードマンの体が豆腐を切るように抵抗なく切断された。キルはいっきに3体を切って倒した。グラ、ホド、ロムも1体ずつ倒している。もう一体はサキがトルネードカッターで倒していた。
7体のリザードマンをサキの大魔法で圧倒したのであった。
サキのサイクロンカッターは集団をまとめて攻撃できるほどの広範囲魔法だ。
大ダメージを受けて動きの鈍ったところをみんなで楽々トドメをさせたのである。
サキはもう魔力回復薬を飲んでいた。かなりの魔法を使ったからだ。
「ねえ、キルってストレージに魔力回復薬をたくさん入れてるのよね。」
「ハイ。持ってますから安心して下さい。なくなったら譲りますよ。」
安心をするサキである。サキ自身魔力回復薬はあと5本程持っていたのだがダンジョンに入る前から魔法を撃ちまくってしまったのでこのペースで行ったらすぐに無くなってしまうからだ。
「張り切りすぎだよ。サキ。」
グラがサキを心配して言った。
「そうじゃのう。ワシらは楽で助かるがのう。」
「、、、、、、もっと任せてもらっても良いんだよ。」
無口なホドもそう言った。
ダンジョンの入り口が見えて来たのでダンジョンに入る前に一休みすることにするのだった。
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