112 フクラダンジョン第3階層  4

ブラッドオーガが復活するまで第3階層で狩りを続け復活したところでブラッドオーガに戦いを挑む。そしてそのまま第二階層で野営の準備に入った。


ここまででミノタロスの魔石10、レッドオーガの魔石10、ブラッドオーガの魔石2、シザードウルフチーフの魔石23、シザードウルフの魔石46である。これが1日目の収穫である。



魔石を見るにシザードウルフチーフの魔石は⭐︎3に使えそうだし、ブラッドオーガの魔石は⭐︎4に使えそうに感じる。鑑定してみると確かにそういう使い方ができる様だった。


その晩ブラッドオーガの魔石を使って⭐︎4のジョブスクロールを8個作る事ができた。


そして8個のジョブを特級に上げられたのである。


その他にシザードウルフチーフの魔石を使い⭐︎3のジョブスクロールを120個作った。


その間にレッドオーガをキル抜きで20匹ほど狩る8人だ。


そしてキルは真夜中に復活したブラッドオーガを倒してから就寝するのであった。




5時間の睡眠の後朝食を済ませ復活したてのブラッドオーガを狩ってから第3階層に移動する。


そしてシザードウルフチーフ達の狩りを始めるのだった。


この様な日々を続け、5日のダンジョン生活を終えて6日目の朝に第2階層を後にした。


運良くグレートミノタロスが復活していたのでキル抜きで倒せるかを試してみたが余裕であった。


短期間のうちにメンバー全員が上級冒険者としての経験と実力を身につけてきている様だった。




そしてフクラダンジョンからパリスの街に戻ってきた。


昼飯をパリスの街のモーモー料理ミーヤで食べた後、クランの拠点探しの為不動産屋を訪れた。


不動産の主人は何やら胡散臭そうな中年のオッサン。


頭はツルピカだ。


その笑顔が何やら嘘くさ過ぎる。



「いらっしゃいませ〜。大勢でお越しくださり有難うございます。」オッサンの揉み手が嫌らしい。


「クランの拠点を探している。大人数で暮らせて、大人数で相談ができる大きな部屋も有る物件が良いな。場所は冒険者ギルドの近くが良い。」キルはザックリと要望を伝える。


「ハイ、わかりました。1階にホールと厨房と食堂、2階に住居スペースのある物件が良さそうですね。10人以上の居住が可能なものがよろしいでしょう。」ツルピカのオッサンが揉みてで微笑む。その揉み手はよせ。


「そうですね。」


「それではこれからいくつか見て回りましょう。」オッサンが微笑む。


キル達はオッサンに案内されて候補になる物件を見て回った。


初めは古くて汚い物件であった。次を案内してもらう。


案内される物件は段々高価で綺麗で大きなものになっていく様だ。


キル達はギルドと繁華街の間の大きめの物件を選んで契約を交わした。


10人以上は居住できる物件である。




物件巡りで夕方になってしまったが、冒険者ギルドにクランの本拠地を登録に行った。


ケイトに報告と登録をしてもらう。


ケイトは意味ありそうな笑顔を見せる。


「クランの拠点で掃除洗濯お料理などをする人を雇うつもりはないかなあ?」


「え!」と声を出してしまったが確かにケイトの言うことにも一理ある様な気もするし当番制でやるのも良い様な気がする。


よく考えてみるとレスキューハンズくらいになれば稼ぎも十分にあるので冒険者は狩りで稼いだ方が効率が良いかもしれない。


「良さそうな人をご存知ですか?ケイトさん。」


「実はとても良い子がいるのよ。」ニッコリ笑うケイト。

もうその子を雇うことは決定した様なものという顔である。


キルは悟った。ここはケイトの言う通りにしないとヤバイ、、、と。


それは本能的直感という奴だが、間違いないことだ。


「その子、、、紹介してください。お願いします。」


「そうね。じゃあちょうど良いからちょっとついてきて。」


ケイトはギルドの食堂の隅の席に下を向いて座っている少女のところにキルを連れてきた。少女はケイトに気づくと頭を上げた。目の下が少し赤い様な気がする。


「クッキーちゃん。あなたお料理と掃除洗濯が得意だったわよね。」


「は、はい。」オドオドしながら理解不能という顔の少女。


「キルさん。この子が紹介したいクッキーちゃんよ。」ケイトがニッコリ笑う。


「よろしく。クッキーさん。俺はクラン(レスキューハンズ)のリーダー、キルです。」


「は、初めまして、、、ク、、、クッキーです。」訳がわからないという顔のクッキー。


「クッキーちゃん、キルさんはクランの拠点で料理や掃除洗濯をしてくれる人を探してるんだけれど、あなたやってみる気はない?仕事、、探してるんでしょう?」


クッキーはケイトのことをぼんやり見つめる。理解が追いついていないのだろう。


少し間があって、気付いた様にクッキーは元気な答えをした。


「ぜひ、お願いします。」


「お、おう。此方こそお願いします。賃金は1日1万カーネルくらいで良いかな。住み込みでやって欲しいんだが。」キルはとりあえず条件を出してみる。


クッキーが少し身を引いた。


「キルさんのクランはキルさん以外は女性8人だから心配ないわよ。」


ケイトの言葉にクッキーはリラックスした様だ。どう思われたのだろう。俺って嫌らしいやつと思われたのだろうかと思うキル。鏡を見てみたい気分だ。


「メンバーに紹介するよ。」と言いながら他のメンバーを呼びにいくキルであった。

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