109 フクラダンジョン第3階層  1

フクラダンジョン第3階層を目指して潜っていくレスキューハンズのメンバー。


第1階層は10匹のミノタロスを倒すだけでフロアボスのグレートミノタロスはもう他のパーティーに倒されていたので第2階層に突入する。


第2階層ではレッドオーガを10匹倒したところでフロアボスの前に出た。

第2階層のフロアボスはブラッドオーガというレッドオーガの上位種だ。


ブラッドオーガは倒されておらず第3階層への道を塞いでいた。


ブラッドオーガはキル1人で相手をする事にする。

もし他のメンバーがブラッドオーガの攻撃をまともに受けてしまうと一撃で即死してしまうこともあり得るからだ。


HPや防御力で単純上級と特級では10倍近い差がある。

ましてや特級を4つ聖級を1つ持つキルはその数倍の差があるはずなのだ。

それに加えてキルの器用さは特段に高く攻撃を当てたり避けたりする能力は高いのだ。

それを考慮すればキル1人で戦った方が被害は出づらいというものだろう。


まずはキルが1人でブラッドオーガに突進しながら上級魔法ストーンゴーレムを唱える。ブラッドオーガの前にオーガより背の高い石の巨人が現れた。

そしてオーガに殴りかかる。


ブラッドオーガは左から突然現れたゴーレムのパンチを右腕を使って寸でのところで受け止めた。オーガの右腕がくの字に曲がりオーガはたたらを踏んで後ずさる。


キルはオーガに向かって上級剣士のアーツ空間斬りを発動、ゴーレムに目を向けたブラッドオーガはその斬撃を一瞬かわし遅れて左腕を切り落とされたのだった。


「グヲ〜!」と叫ぶブラッドオーガ。


そこにストーンゴーレムの左フックが飛んでくる。

ブラッドオーガはそのパンチをスウェイしてかわし、そして後方に飛び退くとキルを睨みつけたのだった。

そしてその両手に力を込めてその手は再生していった。


なんていう再生力だ。腕を切り落とすくらいでは大したダメージにはならないのかもしれないと思うキル。如何すれば倒せる?


ブラッドオーガはみるみる再生し終え、そしてストーンゴーレムに飛びついてボディーブローをお見舞いしていた。ゴーレムのスピードはオーガのそれより極端に遅い。まともにくらいオーガの右拳が胸板を貫いて背中からでていた。ガラガラとゴーレムの身体が崩れ落ちてゆく。


考えている時間はなかった。キルはすかさずもう一度上級魔法ストーンゴーレムを唱える。オーガの背後にストーンゴーレムが出現する。


オーガは背後のゴーレムにいち早く気づくと身体を1回転させながら回し蹴りを放つ。


ゴーレムが胴体部分でその蹴りを受けダルマ落としの様に腹の部分が蹴り飛ばされ足と胸から体が崩れ出した。土煙が上がる。


ブラッドオーガがキルの方を睨みつけそしてその口が大きく割れるように開かれた。

それはまるで後はお前だけだぞと言ってわらっているかの様である。

そしてゆっくりと近づいて来た。


キルは上級剣士アーツ千斬剣を放つ。高速の連続斬撃がオーガを斬りつける。

浅い、、、千斬剣の無数の剣撃はオーガを血まみれに無数の傷をつけたがその傷は浅すぎるのだ。切ったそばから再生するブラッドオーガ。


無数の斬撃を避けあるいは弾きあるいは斬られながら右ストレートを放つブラッドオーガ。キルは飛び退いてその攻撃をかわす。


ヤバイヤバイ、強烈な一撃だ。ただかわすのはさほど難しくはない様に感じる。


オーガはキルを追撃してくるがそのパンチをかわしながらキルはオーガの攻撃を見切り出していた。キルはオーガのパンチにカウンター気味に剣を振った。上級剣士アーツ斬鉄剣がオーガの首を飛ばした。


オーガの首は再生するのか?キルはまさかと思いながらも目を離さない。


しかし首をはねられたオーガの身体から首は生えてこなかった。

首から身体が再生することもなかった。ブラッドオーガは死んだ様にもみえた。

キルは急いでブラッドオーガの魔石を取り出すとオーガの身体は黒い霧となって消滅した。つまり時間が有れば生き返ったということかもしれない。


1度闘ってみてブラッドオーガの倒し方はわかったし次からは苦労無く倒せそうな気がするキルである。


パーティーは第3階層に進んでいった。今回キルの目的は⭐︎3用、⭐︎4用の魔石をゲットする事である。第3階層の魔獣はどういうものが現れるのだろうか?


此処までミノタロスの魔石10、レッドオーガの魔石10、ブラッドオーガの魔石1しかゲットしていない。

此処からは進みながらも、進むことより魔石をゲットすることの方が優先される。

なのでドンドン先に進むというより闘う事が優先される。

慎重にゆっくりと進んでいけば良いという事、先を急ぐことはない。


そしてブラッドオーガの魔石は6時間後に復活したブラッドオーガからしかゲットできないので此処に6時間後に戻って来たいのである。

まずは索敵を行いながら少しずつ進む事にしたのであった。

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