107 ヌーヌー狩り
工房に帰ったキルはスクロール作りを再開した。
⭐︎3のジョブスクロールを剣士と騎士20個ずつ40個。
⭐︎2のジョブスクロール剣士200と騎士99個。
これだけの数のスクロールを作るのには4時間もかかった。魔力を消費し切るのも一苦労というところだ。⭐︎3をもっと作れれば数を減らせるのだが魔石の数を考えると⭐︎2を中心に作るしかないのは明白だ。
もうグレートミノタロスの魔石は残り3つだ。明日もダンジョン行き決定だな。
ついさっき1000枚もの蝋皮紙を買って来たのにもう300枚も使ってしまった。もっとまとまった数で蝋皮紙をストックしておかないとすぐになくなってしまうな。
キルは明日蝋皮紙をまとめ買いしようと思うのだった。
早朝のギルド前、緑の草原のメンバーが集まり出していた。その中にはクリスも混じっている。ギルバートの姿はない様だ。クリスは今日からお目付け役から解放されたという事の様だ。
貴族ということもありクリスと平民の新人6人との間には少し距離がある様だ。そんな中でケーナがクリスとみんなを近づけようと話を繋いでいた。
「クリス、また今度一緒に服やアクセサリーを買いに行こうっす。クリスに選んでもらったこのピアスおきにいりなんっすよ。」
「そのピアス、ケーナ殿にしては素敵なアクセサリーであるなあと思っておったが、クリス殿が選んだのであるか。なるほど、さもあらん。」とユミカ。
「なんだとユミカっち!それじゃあ自分のセンスが悪いみたいじゃないっすかあ?」
「いやそうは申してはおらんぞ。ただそのピアスは拙者も良いなあと思っておっただけの事。」とユミカは言い訳をするが言い訳になっていない様に感じる。
キルはみんなに挨拶をしながら合流する。「おはよう、みんな。全員集まっている様だね。」
「「「はい。」」」気合の入った返事が返って来た。
「今日は軽ーくライガー狩りとライガーが少なかったらヌーヌー狩りでもしてみようかと思います。ヌーヌーは攻撃すると群全体としては逃げ出すので俺とクリス、ケーナで逃げるヌーヌーの足止めや閉じ込めをするから後の6人はラインを押し上げる感じでヌーヌーを狩って下さい。」キルが今日の予定を話す。「明日はまたダンジョンに潜ろうと思いますから今日は肩慣らし程度に気楽にいきましょう。」
フライを使い いつものライガー狩りの草原にライガーを探して空を飛んだ。
全体的にライガーの群れは減っていてヌーヌーがたくさんいた。
「今日はヌーヌー狩りにしましょう。6人はそこに降りてヌーヌーを向こうにむかって狩っていってくれ。俺とクリスとケーナは向こうに回って上空からヌーヌーを攻撃するからね。」と指示を出してケーナとクリスを引き連れて群れの向こうに飛んで行った。
反対側に回った3人は6人の狩りが始まって逃げ出してくるヌーヌーの群れを上空から攻撃する。
ヌーヌーは走り出したら急には止まれない。3人の攻撃で倒れるヌーヌーの後から後からヌーヌーは走ってくる。
キルとクリスはアイスサイランダーを唱え鋭い氷柱でヌーヌーを串刺しにした。あたり一体に円錐型の氷柱が立ちヌーヌーが次々に串刺しになっていく。ケーナは矢を射まくっている。
ヌーヌーの群れが通り過ぎた後にはたくさんのヌーヌーが倒されていた。キルはストレージを唱えて収納を始めた。
6人の所までヌーヌーを収納しながら合流すると今回の狩ったヌーヌーの数は35匹であった。この間20分ほどしかかかっていない。これを何度か繰り返せばかなりの数のヌーヌーを倒せそうである。
持てる矢に限りのあるケーナにストレージから矢を出して渡す。射た矢を回収したが折られた矢が多い様だったのだった。
こういう狩りを7回続けて231匹のヌーヌーを狩ったのち1匹を捌いて昼飯に食べる。9人では食べきれない量の肉が取れたのでストレージにストックしておく。
「矢の数を気にせずに射続くけられるスキルはありませんかねえ?」食べながらケーナがキルに聞いた。
キルは紋様辞典を調べて上級アーツにエナジーアローというものを見つけた。特級弓使いのアーツにはエナジーアロー20という範囲攻撃も見つける。これらは自分のEPを使ってエナジーの弓と矢を作り出して射るというものである。矢はおろか弓さえいらない。
光魔法のライトニングアローに似たものの様だなと思うキルである。
ケーナはそのスキルスクロールが欲しいというのでその場で作ってやった。
特級時に生えるアーツであってもスキルスクロールで覚えてしまえばそのアーツは使えるようだ。
午後の狩りはもっと多くのヌーヌーが狩れそうである。
食事が終わり午後の狩りを始めた。午後は12回ヌーヌーの群れを襲い444匹のヌーヌーを倒した。
ギルドに帰り674匹のヌーヌーを買取に回す。2022万カーネル、1人224万カーネルの分前であった。ケイトがすすっとよってきて、そしてケイトはキルが新人の面倒を見てくれた事に感謝の意をを示し、クランを作る様にまた薦めるのだった。
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