88ダンジョンアタック3

ダンジョンアタック2日目、今日は朝からダンジョンに入って行く。昨日ギルドに居たパーティーも当たり前だがダンジョンに入る様だ。索敵の範囲内でそのパーティーの様子を気にしながらミノタロスを狩り続けた。


そのパーティはどんどん奥に進みフロアボスを倒して第2階層に行こうとしている様に見えた。フロアボスが倒されれば6時間の間復活しない。つまりは6時間の間に第2階層に行って帰ってくる事がフロアボスと戦わずに出来るということになる。


そのことに気づいたキルは第2階層を5時間の間で行き来する計画を打ち明けた。


「良いっすね。それは良いところに気がついたっすよ。」

「キルさん、おぬしもわるよのう!」「うん。うん。」


「イヤ、普通便乗して入るくらいやっても問題ないだろう。ただ遅れると誰かが帰る時に便乗できるまで帰れなくなるけれどもなあ。1時間余裕をみれば大丈夫だろう。」


「そうっす。そうっす。」「そうですね。」「うん。うん。」


「ではフロアボスが倒されれたら便乗させてもらおうか。」


ミノタロスを倒しながら奥に進んでいるとさっきのパーティーがフロアボスと戦い出した。キル達はミノタロスを倒しながらフロアボスが倒されるのを待つ。


その間にキルは上級盾使いに進化した。


上級冒険者4人とグレートミノタロスの戦いは長引いている。

索敵で観察しているがどうやら動きの悪いものがいるところを見ると1人攻撃を受けて戦線離脱しているために苦戦しているのかもしれない。


ちょっと様子を見に行ってみることにした。

するとやはり剣士が倒れていて動かない。死んではいなさそうだがダメージ甚大というところらしい。


3人がグレートミノタロスと戦っているが剣士を回復するチャンスがない様だ。

キルはハイヒールの魔法で剣士を回復してやった。


剣士は気がつくとキルが助けたことにきずいた様だった。


「手伝いましょうか?」と遠慮がちに声をかけるキル。


「大丈夫だ。回復魔法感謝する。」と剣士は言って戦線に復帰した。


4人になったパーティーは攻撃力を増し、じきにグレートミノタロスを倒して大き目の魔石が残った。


剣士を筆頭に4人がキルの方にやって来て「手助けありがとう。」と言った。

「君たちが苦戦していたら今度は俺たちが助けるよ。」盾使いが言った。


「よろしくお願いします。」とキル。


「自分たちも第2階層に入っちゃって良いすかね?」とケーナが効くと、


「勿論だとも。それは遠慮するものじゃないから大丈夫だよ。」と魔術師が言った。


2つのパーティーは一緒に第2階層へと侵入した。


「君達は随分若そうに見えるけれど一体何歳なんだい。若く見えるだけなのかな?」


「俺は14歳、女の子達は13歳です。」


「凄いね。確かに見た目はそのくらいに見えるものね。て事はそんなに早くBランクパーティーになったのかい?」


「いえ、自分らはまだDランクパーティーなんですけれどもね。」


その答えを聞いて剣士がフリーズした。


「Dランクパーティーがこのダンジョンの第2階層なんかに来たら危ないじゃないか!生きて戻れないぞ!」と剣士が言った。


「ア、まだ冒険者を初めて日が浅いものでランクは低いですけれど、それなりに実力はありますので、昨日も今日もミノタロスは問題なく倒せてましたよ。レッドオーガはこれから初めて闘いますけれども。」


「帰りはグレートミノタロスを倒せないだろう。」


「そうですね。だから5時間の間に第1階層に戻るつもりです。」


「そうか、じゃあ君たちがオーガと初めて戦うところを見ていてあげるよ。危なそうなら助けに入るから。」


「有り難う御座います。もし危なそうなら助けてくださいね。」とキルは笑って言った。


「任せてくれ。だが危なそうだったらそのまま第一階層に戻るんだよ」


「そうですね。そうします。多分だいじょうぶかなとおもうんですけれどもね。」


「キル先輩、じゃあ今度のオーガは自分らが貰っちゃって良いすよね。」とケーナ。


「先制攻撃、するんですよね。」「うん。うん。」


「そうだな、それじゃあみんな先頭に出て先制攻撃するぞ!」

キルの掛け声でケーナ、エリス、ユリアが前方に駆け出す。キルも一緒に飛び出し最前方に立って3人を守る体制だ。


索敵にかかって居たオーガが現れるのを4人が待っている。


オーガが見えて射程圏内に入ると4人が先制攻撃を開始した。ケーナの強射、エリスとユリアは鎌鼬を放ちキルは覚えたてのフリーズボムを3連射した。レッドオーガが煙になって消え魔石が残る。


「オイオイ、凄いな。君フリーズボムなんて上級魔法を3発も放ってMPがなくなってしまうだろう。あと何発くらい撃てるんだい?」魔術師が聞く。


「うーん、考えた事ないんですけど多分100発以上かな?120発くらい?」

上級魔術師ならば通常20発程度のはずで有る。


「もしかして特級魔術師?」弓使いが驚いて声を上げる。


「俺は特級スクロール職人です。特級魔術師じゃないですよ。」


「スクロール職人?スクロール職人でも特級ともなると凄い強いんだなあ。」と剣士が言った。「これなら心配はなさそうだな。だが近接戦になった時は気をつけろよ。」


「はい。気をつけて戦います。お気遣い有り難う御座います。」


「それじゃあ俺達は次の階層を目指すので此処でさよならだ.じゃあな!」

Aランクパーティーは此処で分かれて先を目指して去って行った。

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