79⭐︎2のジョブスクロール2

工房に帰ったらスクロール作りを始めるキル。


今日は剣士⭐︎2のジョブスクロール作りからだ。魔石の粉を作り剣士⭐︎2のジョブスクロールを5個作った。ここまでは自分のMPで間に合っている。


ここから先は魔力回復薬を使ってMPを回復しないと作れない。


それと今日は弓使いのジョブスクロールも作ってみようと思う。何故か作っていなかった事に気づいたからだ。


それと鑑定師というジョブスクロールも作る事にした。戦闘職ではないが役に立ちそうなジョブだからだ。

街でこのジョブを持つものを見て紋様は知っていたがこの際だ。人気が出そうなものは作ってみようと思う。


弓使いと鑑定師の⭐︎1⭐︎2のジョブスクロールを2個ずつ作って身に付けてみる。特級魔力回復薬を6個使った。ヒールで回復する。


騎士⭐︎2を6個、魔術師⭐︎2、盾使い⭐︎2、槍使いを⭐︎2を2つづつ作って回復薬を12個使った。2度ヒールで回復して今日のスクロール作りを終了する。


「だいぶ作ったのう」ゼペック爺さんが声をかける。


「はい。買ってくれると言うので安心です。これ見て下さい。」キルは今日の売り上げの金板と大金貨を見せた。


「凄いのう。」ゼペック爺さんも金板を見て驚く。「ワシも作れば売れるのかのう。」


「売れると思いますよ。」とキルが言うとゼペック爺さんも作ることにした。


⭐︎2のジョブスクロールはゼペック爺さんはつくれたことがない。上級スクロール職人のゼペック爺さんは作る事に成功するだろうか?


「その魔石は高価だから魔石の粉も高価という事になるのう。材料代は後で精算するからのう。」とゼペック。意外と細かい。


「そんな、ゼペックさんからはもらえませんよ。」とキルが笑いながら言う。


ゼペック爺さんはワイバーンの魔石の粉を使って剣士⭐︎2のジョブスクロールの紋様を刻もうとする。キルが5個作るのを横で見てその紋様は目に刻み込まれているはずだ。


ゼペック爺さんの手のひらが輝き紋様が刻まれた。成功に違いない。

「良し。明日これを持ってギルドで鑑定して買い取ってもらおう。」


鑑定師のジョブを身に付けたキルの目から見てゼペック爺さんのスクロールはちゃんとできていた。鑑定するとジョブスクロール剣士⭐︎2という名前が表示されたからだ。初級鑑定師は名前で表示される能力らしい。


翌日キルはまたライガー狩りに出かけた。その間にゼペック爺さんは生産者ギルドにスクロールを売りに行き150万カーネル買ってもらえたらしい。


今のところ⭐︎2のジョブスクロールは引くて数多だ。


この世界は⭐︎1のジョブ持ちが半分以上いるのだ。その誰もが中級になりたいと願っている。金さえ有ればの話だが。


300万カーネルという金はなかなかの大金だが貴族からすればたいした金額ではないだろう。中級に能力が上がるメリットに比べれば。


なので生産者ギルドには王都や大都市ギルドから問い合わせが殺到しているらしい。注文の予約もたくさん溜まっている事が想像できる。


パリスの生産者ギルドはジョブスクロール特需に沸いていた。ゼペック爺さんも⭐︎2のジョブスクロールを作れるとなれば尚更生産量が見込めるというものだ。


キルが狩りから戻って来るとニンマリと笑うゼペック爺さんが待っていた。その手には150万カーネルぶんの金貨が有った。


「売れたんですね!ゼペックさん。」キルも笑顔で声をかける。


ゼペック爺さんが「魔石代を払わにゃならんのう。魔石1つでスクロール4つぶんじゃからあと3回使わせてくれ。ワイバーンの魔石は1つ30万カーネルじゃったのう。ホレ受け取れ。」といつて30万カーネル、金貨3枚を差し出した。


「良いのに。」と言いながら受け取るキル。


今日はレッドオーガの魔石を粉にする。


「レッドオーガの魔石も30万カーネルじゃったか、これでも⭐︎2のジョブスクロールがつくれるのかえ?」とゼペック爺さん。


「はい、同じみたいですね、少なくともジョブスクロールを作れることは間違い無いです。」


キルはジョブスクロールを作り出した。


剣士⭐︎2を5つ、騎士⭐︎2を5つ、盾使い、槍使い、魔術師を2つづつ。弓使いも1つ。


ゼペック爺さんが剣士⭐︎2を3つ作ってみた。ギリギリ3つ作れるようだ。


ゼペック爺さんも満足そうに作ったスクロールを持っている。


⭐︎2のジョブスクロールの在庫が増えて7日後の買取日のは余分にできるていそうだとキルは思った。

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