75 盗賊討伐

朝からギルドの前には冒険者が集まっていた。


盗賊討伐隊の10人だ。その中にはキルとケーナがいる。


ケイトが冒険者を集めて紹介を始めた。


「鉄拳さん、3人。メタさん、ネモさん、バキさん。 黒鉄さん、ゼクさん、サヴァさんの2人。緑の草原さん、キルさんケーナさんの2人。牙王さん、ヤスさん、タツさん、レンさんの3人。以上10人です。討伐隊のリーダーはCランクパーティーの鉄拳さんのリーダーメタさんにお願いします。荷馬車に乗って現地に向かって下さい。細かい事はメタさんに聞いてください。」


荷馬車に乗り込む冒険者達。荷馬車の御者1人冒険者10人の盗賊討伐隊が出発した。


荷馬車の中で自己紹介が始まった。


「俺は鉄拳のメタCランクの剣士だ。」


「ネモ、Cランク、拳闘師。」


「バキ、C、拳闘師。」


「Dランクパーティー黒鉄のゼク、Dランク剣士。」


「サヴァ、Dランク、槍使い」


「緑の草原Dランクパーティー。キル、Cランク、スクロール職人。」


「ケーナ、Dランク、弓使い。」


「Dランクパーティー牙王、ヤス、Dランク、剣士。」


「タツ、Dランク、剣士。」


「レン、D、剣士。」



「俺達鉄拳の3人以外でCランク冒険者はキルだけか。なるほどなあ。それで今回の盗賊は20人くらいの盗賊団と推定されているが定かでは無い。ザックリ1人が2人を倒す計算だな。」と一通りの自己紹介が終わり、リーダーのメタが話をきりだした。


「Dランクの冒険者が単なる盗賊風情に遅れをとることもなかろう。相手を見つけ次第打ち入れば良いな。」


なんともザックリとした考えだと思うキルである。しかしそんな簡単に事が運ぶのだろうか?Dランク冒険者は強いとは思うのだが、、、、普通の様な気もするが盗賊よりはつよいだろう、、、まあ問題ないか?


そう言えば、この前は18人の盗賊に30人以上の冒険者で討伐したと思うキル。しかもその時はCランクの冒険者が10人いた様な?


大丈夫かコレ?なんかこの前よりだいぶ不利な状況の戦いの様な気がする。


もっとも自分1人でも並の盗賊だけだったなら全滅させられる様な気もするが?


並の人間の攻撃ならライガーやウルフの攻撃より交わしやすいはずだと思うキル。まずキルに攻撃を当てられる盗賊はいないのではないだろうか?


まさかそれを計算に入れてのこのメンバー構成か?なら混戦になる前に空から空撃させてもらった方が面倒はない。


「あの、ちょっと良いですか?」キルが発言を求めた。


「盗賊見つけたら早い者勝ちに突っ込んで行っても良いんですか?1人で全滅させちゃっても良いとか?」


「キル〜、言うねえ。もちろん良いよなあ?みんな。手柄は早い者勝ち、倒した盗賊の数だけ盗賊の溜め込んだ宝は権利を持つてのはどうよ。」と牙王のヤスが言う。


「「「良いぜ!」」」みんな早い者勝ちに賛成の様だ。


「オイオイ。大丈夫かよ。死んでもしらね〜からな。」とメタ。「無理すんなよ。」




盗賊の出没地点が近づいて来た。キルは索敵で盗賊の居場所がわかった。


「ケーナ、フライで空中戦仕掛けるぞ。一緒に来い。」


キルの言葉に素直に従うケーナ。荷馬車から空へ飛び出す2人。


後に残された冒険者達が空飛ぶ2人に驚きの声をはっする。


「「奴ら飛べるのかよ。」」


「飛んで盗賊を見つけるつもりかよ。先をこされたくねーな」


「御者!もっと早く走らせろ!」Dランク冒険者が口々に怒鳴る。


「ハハハハハ、荷馬車より速く走れるならば降りて走れ〜」茶化す様にメタが言った。


荷馬車より速く走れるやつはいない様でみんなメタを睨みつけた。


キル達は索敵で見つけた盗賊に攻撃を開始した。キルはアイスマシンガンで盗賊の集団にメチャクチャに氷の弾丸を撃ち込んだ。


ケーナは強射で狙い撃ちだ。


20人くらいの盗賊団はバタバタと倒れていく。


その中の3人はアイスマシンガンを避け打ち落とし被弾せずにキルを見返している。


なかなか強い盗賊もいたらしい。


荷馬車が到着し、冒険者が我先にと飛び出して来て残った盗賊に襲いかかった。


「コイツは貰った!キル、手ェ出すなよ!」牙王のヤスが叫び、タツとレンがヤスに続いた。そして残って3人の盗賊に斬りかかった。


キルは手を出すのをやめて3人に任せることにした。


キルとケーナはもう充分に盗賊を殺している。17人も。あとは残りの人に任せようと思ったのである。


黒鉄のゼクとサヴァも戦いに加わる。5対3の戦いで余裕の勝利だろうとCランクの鉄拳の3人は側まで行って戦いを眺めている。


5人を相手に残った3人の盗賊が意地を見せて推し気味に斬り合っていた。


剣のぶつかり合う音が響き続けている。キルのアイスマシンガンを避けきった盗賊はなかなかの手練れだった様だ。


「グワーッ!」牙王のヤスが盗賊の攻撃で手傷を負って引き下がった。胸からおびただしい血がヤスの服を染めていた。


ここに来てCランクの鉄拳も戦いに加わった。そして1人また1人と盗賊を倒し始めた。


Cランク3人にかかったら強いと言っても所詮は盗賊に身をやつす様なレベルである。程なく3人は討ち取られてしまった。


盗賊のネグラを家探しして溜め込んだお宝は回収させてもらった。


怪我をしたヤスは仲間のタツに傷薬で治療してもらっていた。


結局牙王と黒鉄は盗賊を倒せていなかった。分前は約束通りだ。大きな問題も無く盗賊討伐は完了したのだった。

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