62 大人気  フライのスクロール

「キル先輩!   おはよう御座いますっす。昨日はどうだったっすか?」朝からケーナは元気いっぱいだ。


「おはよう、ケーナ。楽しかったぞ。Aランクの冒険者は強かったぞ!」と答えるキル


「Aランクの冒険者も助けに来てましたのね。」とクリス。


そこにバーミリオンの3人がやって来た。


「オッス。キル。この子達がお前のパーティーメンバーか?美人揃いじゃねーか。」とダク。


クリスとケーナは嫌そうな顔をする。いきなり見た目についてコメントされるのはお気に召さないようだ。イヤらしいオッサンと見られたのはダクで有る。


「ガスさんダクさんバズさん昨日はお世話になりました。」と挨拶をするキル。


そしてキルはパーティーメンバーを紹介する。


「この子がケーナ、弓使い。こちらがクリス、魔術師です。結構腕利なんですよ。」


13歳と言えばまだまだ成長途上で有る。バーミリオンの3人にはお子様に見えるのだろう。


「お嬢ちゃん達、頑張って大きくなれよ。」とガス。何を頑張れば大きくなれるのか?


「キルはこう見えてかなり強いからな。頼りにして良いぞ。良いやつを仲間にしたな。」とバズ。


「「はい。」」キルが強いのは良く知っているという顔の2人。


「そうそう、キルって昨日Aランクの冒険者にスカウトされてたんだぜ。うちのパーティーに入らないか〜〜って。」とダク。


「エーーー!」2人はキルの顔を見つめる。


「断ったから。それ断ったから!」キルが2人に言い訳をした。安堵する2人。


「でもキル先輩って、そこまで強いっすか。」感心するケーナ。


「昨日のキルには驚いたぜ。なにせ、空を飛びながら魔法を撃ちまくってたんだからな。俺もそこまでの奴とは知らなかったくらいさ。」とバズ。


「本当っすか!」驚く2人。


「キルさんって底がしれませんのね。」とクリス。


照れるキル。


「さて依頼を探すか。じゃあな。」バーミリオンが掲示板の方に去っていった。


キルたちは荷馬車を借りに行く。


受付のケイトがキルのところに寄って来て、キルに告げた。


「キルさん、昨日の働きでCランク昇格が決まりましたよ。おめでとう御座います。」


Cランクの冒険者証を渡されるキル。


「(緑の草原)もDランクに上がりました。コレからも頑張ってください。」


「頑張ります。」キルが言うとケーナとクリスが笑顔で見つめあった。




荷馬車で狩場に向かう(緑の草原)。


「キル先輩、空飛べたっすか?」


「この前飛べる様になった。」


「スクロールっすか?」


「ああ。」


「良いっすね。自分も飛べる様になりたいっす。スクロール、いくらっすか?」


「えっと。 30万カーネルかな? 今は持ってないぞ。工房で作れば有る。」とキル。


「そのくらい、お金有るっす。」とケーナ。


「私も飛びたいですわ。」とクリス。


スクロールが2つ売れそうだ。


そして今日も前回の様にライガー狩りから始める。そしてヌーヌー、リカオウを狩る手順。4往復してライガー23、ヌーヌー16、リカオウ85を狩りギルドに卸した。

1人103万カーネルの働きになった。


「キル先輩、今日はCランク昇格のお祝いを兼ねて工房で食事会にしないっすか?」ケーナが提案する。


「ああ、そうすればスクロールを作って渡せるしなあ。早く飛びたいだろう。」とキルもその意見に賛成だ。ゼペック爺さんも喜んでくれるに違いない。


「私も賛成ですわ。ゼペックさんにも会いたいですしね。」とクリス。


その晩は工房でお祝いの食事をすることにして、みんなで買い出しをする事に。


「最近噂になってるトラムゴットのライガーバーガーってもう食べたっすか?」


「そうそう、最近話題になってますわよね。」


「いや、まだ食ったことはないぞ。」


「じゃあ、それを買っていきましょう!」とケーナ。


「良いぜ。じゃあ今晩はそれにしようか。」とキル。そして3人はトラムゴットでライガーバーガーを買い工房に戻る。


「ホウホウ、コレが噂のライガーバーガーかのう。」ゼペック爺さんも喜んで食べるのだった。


この肉俺たちが狩ったライガーの肉じゃないかしら?なんいて思いながらキルは美味い美味いと舌鼓をうつ。


その後キルはフライのスキルスクロールを作る。ハイオークの魔石の粉を使い魔力を込めて紋様を刻む。


30万カーネルを出してスクロールを受け取るケーナ。


「今日の稼ぎだけで3つ買っても余るっす。コレもキル先輩のおかげっす。」


ケーナがスクロールを発動し光に包まれた。満足そうなケーナ。


キルはクリスの分もスクロールを作る。


クリスも光に包まれフライの魔法を使える様になった。


「魔力の量には気をつけろよ。無くなって空から落ちるなんてことのないようにな。」


「「ハイ。」」返事がいい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る