63 精霊召喚
ケーナとクリスが楽しんで帰った後、キルは今日の分のスクロール作りをするのだった。
ステータスを確かめ残りのMPをチェックして、何をいくつ作るか考えた。
中級魔法アイスマシンガン、1 中級魔法アイスシールド、1 中級魔法アイスサイランダー1 中級魔法ステルス、1 中級魔法フライ、2 中級魔法超加速、1 中級魔法ムーブ、1 中級魔法サンダーボルト、1 中級魔法ハイヒール、1 中級魔法重追加、1 中級魔法ヘルファイヤー、1 中級魔法ファイヤーポール、1とステータスのスクロールを2つ。それで全魔力を使い足らずに上級魔力回復薬を1つ消費だ。
ゼペック爺さんにCランクの冒険者に昇格した事を話し毎日たくさん魔物を狩って大金を稼いでいることも話す。みんなスクロールで得たスキルのおかげで有ると。ゼペック爺さんには、いくら感謝してもしたりない。スクロール職人になれなかったら今頃モーモウ1匹倒せないでいたに違いないのだ。
話しながら上級魔法回復薬を飲みMPを回復してまたスクロールを作り出す。スキルスクロール テイムと精霊召喚(風) だ。そしてそれを身に付けた。
試しに風の精霊を召喚してみる。ほんのわずかしか魔力が残っていなかったので、MP2くらいの消費で召喚。MPを込めればそれなりの精霊が現れるのか?チッコイ風精霊が召喚されて、顔の周りでふよふよし出した。
「はじめまして。」キルが声をかける。
「オイ、俺様もっと魔力が食いたいぞ。こんな小さな体になっちまっただろう。」
小さいくせに生意気な精霊で有る。
「魔力が多いと大きくなれるのかい?」キルが聞くと精霊が答える。
「冗談だぜ、俺はコレからたくさん食べて大きく育つ予定なだけさ。体は急には育たね〜よ。別の大きな精霊が現れるだろうよ。」
「で、どんなことができるのさ?」
「風の精霊ができることは、風を吹かせることだけさ。見ろ!」
精霊が風を吹かせる。チッコイ竜巻1cmくらいがクルクルしながらキルに当たって消えた。さすがチビの精霊、出せる風もチッコイ。
「どんなもんだい! スゲ〜だろう。 俺にしちゃ〜うまくいった方だな。グルグル巻いてたろ、スゲ〜だろう。」チビ精霊が自慢そうに話す。
「驚いたね。すごいね。」とキル。別の意味で凄いと思うキル。
「じゃあな!あばよ。また呼んでくんな。」精霊は竜巻になって消えていった。
「可愛いな、精霊って、生意気なところが超可愛い。」とキル。後でテイムも試してみようと思うキルだった。
「チッコイ精霊だったのう。」とゼペック。ゼペック爺さんも半笑いだ。
「可愛い精霊でしたね。」
「チッコイ割に生意気な奴じゃ。」ゼペック爺さんが笑いながら言った。
「ですね。」キルも同意した。
「キルさんも色々できる様になったしもう一人前じゃな。じゃが冒険者としての方が儲かるじゃろう。なんならワシに構わず、数日かかる依頼をやっても良いのだぞ。わかっていれば飯くらい1人で食えるからのう。」
「エ!良いんですか?それだといろんな依頼を受けられて有り難いですね。」とキル。
「良いぞ良いぞ。ドンドンやって仲間を増やしてスクロールを買ってもらうのが1番かもしれんて。」ゼペック爺さんが言う。
確かに知り合いにしか売れたことがないかもしれない。と言うより多分スクロールは実際の効果が確かめられないと買いづらい商品なのかもしれない。
そうだ他のパーティーの人と共同で行う依頼は良いかもしれない。新しい紋様と出会うかもしれないし、スクロールを買ってもらえるかもしれない。
実際に使って見せて売るのは実演販売と言うらしい。実演すれば値段に見合ったものだと思ってもらえるだろう。
「それじゃあ、コレからは他のパーティーと一緒に請け負う依頼を増やそうと思います。なので護衛の依頼とかは何日もかかることが有りますのでその時はゼペックさんに言ってから出かけますね。」
「そうしてくれ。それとワシの工房の宣伝もよろしく頼むぞい。」ゼペック爺さんがキルに宣伝を頼むのだった。
「わかりました。スクロール、買うのに迷ってその場で決められない人とか、ここを教えておけば後で買いに来たりしますものね。」
「そうなんじゃよ。実はお前に聞いたと言うものがこないだクリーンのスキルスクロール買っていったぞえ。」
「あ、あれからもう1人、買う気になった人が出たんですね。」キルは開墾の仕事の時の事を思い出しながら言うのだった。
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