60 ゴブリン騒動8

ゴブリンの群れが次々とおしよせだして、前線では押し込まれそうな様相を呈して来たようである。


キルはもう一度ゴブリンの後続をたたきに空を飛んだ。そしてゴブリンの群れの中にファイヤーポールで炎の柱の壁を建てゴブリンの押し寄せる勢いを削いだ。なおかつサンダーボルトで雷撃を加えてまわった。


冒険者達はゴブリンを押し返し始める。


ゴブリンの群れは次々と押し寄せてきたがもう半分のゴブリンは倒していた。


後500〜600のゴブリンを倒せばかたがつく。雑魚を倒すのは俺たちの役目とキルは魔法を打ち続けた。アイスマシンガンはこういう時には有効のようだ。


詠唱省略で続け様に撃たれる弾丸はゴブリンを薙ぎ払っていく。周りに味方がいないところの方が気にせず撃ちまくれるのでゴブリンの後方部隊を攻めまくった。


崩れたゴブリン集団に冒険者が攻め込む、


ほぼほぼ雑魚が減って来て、キングゴブリンとその親衛隊が姿を現した。


キングゴブリンはAランク、Bランクの冒険者の相手だ。キル達は邪魔な雑魚ゴブリンの排除に努める。


キングゴブリンとその親衛隊、変異種2匹とジェネラル4匹、の合計7匹がおぞましいオーラを醸していた。


こちらはAランクの冒険者1人とそのパーティーメンバーBランク3人の最強部隊。それにBランクの冒険者4人のパーティーが1つと3人のパーティーが2つ。つまりA1B13の14人がこちらの上位チームだ。


キル達Cランクの冒険者は危ないので遠巻きに戦いを見守る。(キルはまだDランク、実力はC?)


ジェネラルとかなら囲めばCランクの冒険者でも倒せるだろうがBランクの冒険者に任せれば問題ないだろう。


AランクとBランクの戦いは観ていても余裕があった。流石に高レベルの冒険者で有る。Aランクともなれば特級剣士とかで有る。そのHPは10000を超えているはず。


Bランクの冒険者は上級職で1000を超えるHPで有る。その他のステータスも推して知るべしで有る。


キルは上級スクロール職人だからMPは1000越えだ。物理戦闘力に数値が振られていないのが非戦闘職の弱みで有る。ただ魔法攻撃力は高い。


キングゴブリンのことをAランクの冒険者が圧倒し案ずることもなく戦いは終わった。

キングゴブリン自体はAランクと言えどもAランクの中では弱い部類に入る。


初めにジェネラルが倒され数的に有利に立った冒険者側が最終的には圧倒した。


これでゴブリン騒動は解決ということだ。キルはAランク、Bランクの持つ紋様をその目に刻みつけ、その戦い、強さに感心するのであった。


キルはジェネラルの魔石2と雑魚の耳と魔石を47ほど手に入れた。おそらく剥ぎ取ったものでは冒険者中でも1番多く剥ぎ取ったのではないだろうか。


戦いが終わって帰途に着く。


キルはAランク冒険者のパーティーに呼びだされた。


「空から魔法を放って大活躍だったのはお前か?」とAランク冒険者が問いただす。


「はい。俺だと思います。」


「俺はAランク冒険者のグラという。よろしくな。君はBランクの冒険者かい?」


「いいえ、Dランクの冒険者でスクロール職人です。」答えるキル。


「Dランク! それもスクロール職人?あれでDランクの非戦闘職だと!信じられん。」


「スクロール職人はMP多めでスクロールで色々身につけられますから、それで飛んだりできるんできるんですよ。」恥ずかしそうに答えるキル。


「そういうものか?スクロール職人というものが珍しいからな。でもあの魔力量は上級か?」グラが聞いた。


「そうです。なりたてですけれどね。」とキル。


「その若さなら成り立てでもとても早いのではないか?」


「そうかもしれませんね。」


「実は君をスカウトしようかと思っていた所だったんだが、どうだい?俺のパーティーに入らないか?」


「いえ、有難いんですが、爺さんの面倒を見てるのと、自分にもパーティーがあるのでメンバーを捨てることは出来ません。」答えるキル。


「残念だが仕方ないな。またの機会を待つとしよう。それじゃあな。」グラはそう言うと行ってしまった。


「オー、勿体ね〜。せっかくのAランクパーティーのお誘いを断っちまうとはなあ。」

ガスが寄って来てキルをからかった。


「そうですよね〜。」今更ながらにもったいなかったかと思うキルで有る。


「そんなことないぜ。自分のペースってもんが大事なものさ。」ダクがいう。


「たまにはダクも、いいこと言うんだなあ。」とチャチャを入れるバズ。


「だろう。」と切り返すダクだった。

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