53 ゴブリン騒動1

次の日は荷馬車が借りられるのでライガー狩りに出かける。


ギルドでケーナとクリスと待ち合わせていると、ガスがキルを見つけて話しかけて来た。


「昨日のスクロール代、ハイヒールのスクロールは10000カーネルするらしいな。」

と言いながらキルに金を渡す。キルも素直に受け取っておいた。


「もしスクロールを買う時は俺から買っていただけたらありがたいです。よろしくお願いします。」キルは営業トークをする。


「そうだな、ハイヒールは持っておいた方がいいかもしれないな。他におすすめはあるか?」ガスが聞く。バズもダクも寄って来た。


「ヒール3000カーネルも有りますし、僕が使った魔法のファイヤーボムも魔法スクロール3000カーネルで売ってます。あとは各種強化系のスキルが身につくスキルスクロール80000カーネルなどが有りますね。」キルは営業トークを続ける。


「攻撃力強化の身に付くスクロールはあるのか?」盾使いのバズが食い入るように聞いてきた。


「はい、有りますよ。80000カーネルですが、買いますか?」とキル。


「くれ。」80000カーネルを出すバズ。キルは攻撃力強化のスクロールを渡し金を受け取る。


「スクロールに手のひらをかざして魔力を流す事を考えてみてください。それで発動します。」キルが使いかたをかいせつすると、バズは早速やってみた。


光がバズを包んでバズが感激をしている。すぐにアーツを発動させて試している。強くなっているのが自覚できるようだ。


「有り難う、キル。これで俺も護るだけじゃないぞ。」


充分に攻撃力以前からありましたよ、、、と思うキルだ。


「まずはハイヒール3つとヒールを5つ買っておく。」45000カーネルをキルに渡すガス。キルはガスにスクロールを渡す。


「それじゃあ俺も防御力強化のスクロールを買おうかな。」ガスが続けてスクロールを買う。80000カーネルを新たに渡すガス。


キルは防御力強化のスクロールをガスに渡す。ガスはスクロールを発動して光に包まれた。


「おーーー、すげえなこれ。待ちに待ったアーツが金で買えるとはなあ。」ガスも満足しているようだ。


「じゃあ俺も防御力強化のスクロールを買うことにしよう〜。」ダクも金80000カーネルを取り出しキルから防御力強化のスクロールを買った。ダクも同じアーツを手に入れる。


「おーーー。欲しかったんだよなあ、これ。強化系のアーツもたくさんあって全部生えるのは時間がかかるものなあ。これは良いかもしれんなあ。」とダク。


「他にどんな強化系スクロールを持ってるんだ?」ガスが聞く。


「腕力強化、素早さの強化、の4種類ですね。」キルが答えた。


「金を貯めたらまた買いにくるかもしれん。よろしくたのむ。」とガス。


「コチラこそ、お買い上げ有り難うございます。またご一緒した時はよろしくお願いします。」


「そういえば今度ゴブリンの後始末、戦力を増やしてまたやるらしいぜ。俺達また呼ばれてるんだ。お前は?」とダク。


「俺はこれからライガー狩りに出かけるんです。」


「そうか、お前にもいて欲しかったんだがなあ。」とバズ。


「気をつけて行ってきてください。命は大切に。」


「これから妥当な戦力が用意されるかどうかで危険度が違うよなあ、こないだみたいのが何匹か居るとなるとそれより強い奴が頭になってるはず。厳しいようなら依頼を断った方がいいかもな。」とバズ。


「俺も、Bランクが居なかったら厳しいかもなあと思うね。」ダクも同意している。


「隣町からも冒険者の援軍を呼ぶべきだな。今この街にいるBランクは限られてるからな。」ガスも乗り気がしないようだ。一抹の不安をキルも感じる。


「じゃあな。俺たちは討伐計画を話し合いにいくからな。」ガスが別れをつげる。


もうケーナとクリスが来たみたいだ。


「それではまた。」キルも挨拶をしてその場を離れ、ケーナとクリスと合流する。




「ケーナ、クリス、昨日は休んだのか?」キルが話しかける。


「昼まで寝てたっす。午後はする事なくて狩りに行きたくなったっす。」とケーナ。


笑って誤魔化すクリス。


「それじゃあ荷馬車を借りてライガー狩りに行くぞ。」キルは気合いをいれるのだった。


今日は295000カーネルを売り上げて驚きのキル。

他の冒険者達と一緒に依頼をこなすとスクロールが売れたりする事につながりやすいのでは?と思うキル。これからは積極的に他の冒険者と行動を共にしたいと思うキルであった。


ともあれ、狩場に急ぐキル達である。

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