26 1人での狩り

今日は1人で狩りに行く。キルはギルドに行って荷車を貸し出してもらった。そして荷車を引いて草原へ到着。索敵をしてみれば小さな魔物は其処ら中に隠れている。


モーモウやボアクラスの魔物を探す。直ぐに発見した。索敵の範囲内に相当数居る。1匹でいるもので近くのものに狙いを定めて移動した。


草むらに居るモーモウに気づかれない様に近づきストーンショットで頭部を狙う。


拳だいの石の弾丸がモーモウに側頭部を貫き一撃で仕留めることに成功した。


「ヨシ!」ガッツポーズのキル。去年は3人で悪戦苦闘の末に切り殺していたモーモウで有る。ストーンショットのおかげで今では楽に狩ることができる。


荷車に載せて次の獲物の側に移動する。捜索時間と移動時間が少ない為時短になっている。キルはまたモーモウをストーンショットで仕留めた。昼までに5頭のモーモウを仕留めて合間に昼飯用に一角ウサギを鎌鼬で狩り焼いて食べた。そして5頭のモーモウをギルドに運び買い取ってもらう。買取所で驚かれた。


「どうしたんだい?こんなに狩って来るなんて!凄いじゃないか。」


キルは笑って誤魔化す。


「何人で狩ってきたんだ?」


傷跡から判断するにモーモウがどうやら一撃で倒されているのを見てキルを二度見する解体職人。


「これ、みんな一撃で倒してるじゃねーか!1人で狩ってきたのか?」


こくりと頷くキル。


「スゲ〜な。5頭で10万カーネルだ。」


「後これも。」1角うさぎの皮と角を渡すキル。


「肉は食ったのか?これは300カーネルだな」

100300カーネルを受け取るキル。もう一度草原に向かった。



草原で午前の様にモーモウを狙って狩りを進めた。ウルフの群れを避けるのにも索敵は役にたつ。予定通りにモーモウを狩り続けてまた5頭をギルドに買い取ってもらった。


今日1日で10頭のモーモウをストーンショット10枚と鎌鼬だけで狩ることに成功した。

午後も10万カーネル稼いだので1日で200300カーネル稼いだことになる。これなら1人で狩りをした方がよほど儲かるのでは?と思った。


晩御飯を買って工房に戻ったキルは早速狩りの成果をゼペック爺さんに話す。


「ゼペックさん!凄いんですよ。索敵が有るとすぐに獲物が見つかるのでたくさん狩れるんです!10頭のモーモウを1日で狩ってしまったんですよ。」興奮気味に話すキル。


「ホーホーホー、でいくらの稼ぎになったんじゃ?」


「ハイ、200300カーネルです。」


答えるキルの前にゼペック爺さんは手のひらを開いて差し出した。


「20000カーネル」


「あ! はい、借金の返済ですね。」キルは大銀貨2枚を渡した。


「キルさんは狩りの才能がある様じゃのう。じゃが、スクロール職人としての才能は最高の星7だと言うことを忘れるのでないぞえ。」


「星7って最高なんですか?スゲ〜」キラキラ目になるキルで有る。


「星の数は3なら上級、4なら特級、聖級、王級、神級とくる。キルさんは励めば神級スクロール職人にもなれると言うことじゃ。」ゼペック爺さんは静かに話した。


「普通は星2、良くて星3、星4ともなると街に数える程しかおらん。ちなみにわしは星3の上級スクロール職人じゃがのう。」自慢げに言うゼペック。


「星が高くても限界まで成長するとは限らんぞ。精進せねばのう。」


「頑張ります。」イッキにやる気が出て来るキルであった。


星7って事はとんでもない才能に恵まれたと言える。誰もが欲しがるスクロールを作れる様になれば、そのスクロールはきっと売れる。それまでの辛抱だ。


しかしそんなに星が高くなくてもスクロールをふんだんに使える今の状況は決して悪いとは言えないのではないだろうか。


ギフトが剣だったとしても今ほど楽にモーモウを狩れるだろうか?きっとそんな事はない。


それはついこの間のケラやバンの強さを見ればわかる事だ。1対1でモーモウを瞬殺なんか出来ないし怪我をする事だって度々なはずだ。


モーモウを狩った時に怪我をして、しばらく寝込んでいたりその間小型の魔物をとってしのいだりしていた事が良くあった。しかも近接攻撃は近寄る前に逃げられてしまう為1角うさぎと言えども狩るのは楽では無かった。


その点ではケーナやクリスは楽に小物を狩る事ができる。なかなか良い仲間ができたのかもしれないと思うキル。


今日もストーンショットのスクロールを作ってから寝るキルだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キルの財産


金  186100カーネル。蝋皮紙26枚、ゴブリンの魔石13

 ストーンショットのスクロール17 ステータス1 ヒール4


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る