二人の願い。
――これは昔の記憶。彼女がまだ幼くて少し元気だった頃。
『この桜にお願いごとをすると叶うんだって』
『へぇ、そうなんだ』
町のはずれの丘に咲いた大きな桜。
町を一望できるこの場所で、俺たちは桜にあるお願いをした。
『大きくなっても、ずっと一緒にいられますように』
それは、幼い頃の俺と彼女の、純粋で、だけど少し、残酷な願い――。
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