第5話隆の東大進学

隆はどうにか前橋高校に進学したもののこのまま高卒で働くのだろうなと漠然と思っていて、学校の勉強も大して身が入らなかった。1年生時の成績は学年で10番くらいであった。


だが2年生時に前橋高校から東大に入った先輩が母校を訪ねてきて、話を聞かせてくれた。

「おい、根岸。東大に来れば親の仕送りが一切なくても家庭教師のアルバイトだけで学費と生活費が賄えるぞ!家が貧乏でも関係ない。東大生にはそれだけの価値がある」と。


目からウロコだった。これで俄然やる気を出した隆はすぐに学年1位になり、トップを独走したまま東大受験を迎えた。


前橋高校の同級生が前富士電機病院医院長、田中亮先生である。2人は終生の親友であった。

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