骸との戦い──リリィ
「フィジカ、貴方はベティを守っていてくれ、ここは──ワタシが、やるッ」
決意固めたリリィの声がフィジカへと
(甲弾残りも少なかった、あれを今は必要としない)
有り得ない規模の
二騎の魔刃騎甲の腹部に集まった侵食せし異形植物が筋肉の筋が破壊されていくように引きちぎれてゆく。重力低減の制御下に無い異形植物に強制に立たされていた状態の骸魔刃騎甲は草木編みの人形のように腹部から胴体部を折り曲げて後方へと押され飛ぶ。
「これで──燃え尽きろ」
リリィが静か呟くと共に
柄側に押されていた骸魔刃騎甲の腹部が燃え裂かれ、勢いのままに一回転をした〈ハイザートン〉は
だが、燃えさかる腹部を庇うこともなく骸魔刃騎甲は立ち上がり状態を捨て、魔獣そのものと呼べる這いつくばりな姿勢へと変わる。頭部潰れ魔刃騎甲の一撃を避け、四つん這いに〈ハイザートン〉へと組み付してきた。
「いつまでも──」
リリィが冷淡とした声を発すると同時に左脚部を踏み込み脚部鞘からもう一刀の
「──
リリィの怒る声と共に首元を溶解一閃と焼き斬った。頭部が中空を飛び胴体部にまとわりつく異形植物が断末魔をあげるように激しく蠢いて〈ハイザートン〉に絡みつこうとしてくる。リリィはそれを足蹴りに突き転がし、重力低減下の中空を緩やかに落下する
その姿はまるで冷徹に罪人へと刑を執行する処刑人のようである。ただ、粛々と罪人たる異形植物を右の剣で燃やし刻み続けてゆく。
「……」
リリィは言葉発せず左の剣を一回転とし逆手に持ち変えると、前方ではなく後方へと突き飛びかからんとした燃え燻る骸魔刃騎甲へと向かって剣先に集めた
焔燻る骸魔刃騎甲が衝撃に吹き飛ばされるとリリィの〈ハイザートン〉は両の
「あの火球威力で燃え尽きていなかったか。しぶといじゃないか」
冷淡に呟くと同時に最後の骸魔刃騎甲に向かって駆け出していった。
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