第9話 「スクーリング 1日目その2」

 なんだかんだあったグループだが、なんとかグループワークができ、特別活動を全て終える。


 4限目は総合だった。


 さっきの特別活動で、話し合い、その後ワークシートに自分の長所などを書き込んだのだが、総合ではその続きで、今と今後やることや目標を決めることをする。


 涼太は、何を書くことで迷っていた。


(2年になったし、進路に向けて自己分析とか興味関心について深堀りした方がいいのかな……)


 結局、進路のことと、プログラミングなどの学習を引き続きやることを書いた。


 それぞれ書いたら、さっきのグループで共有をすることになった。


「それでは、グループで共有してください」


「よろしくね!山川くん、山﨑くん、凛ちゃん!」

「よろしく紗耶。あとぼくはもう下の名前でいいよ」

「わかった!」

「俺も、下の名前でいいよー」

「了解!」

「やった!みんなと下の名前で呼べて嬉しい!」

「よくそんなことで、喜べるね」

「だから、そういう言い方ないだろ」

「まあまあ。凛ちゃんはちょっと不器用なんだよ」

「ぶ、不器用……」


 珍しく、凛が少し狼狽うろたえている。

 すごい。紗耶やるな。


 ◇ ◇ ◇


 そんなこんなで総合の共有が終わったので、雑談をする。


「で、凛は旅行好きって言ってたけど、どこにいくんだ?」


と、歩み寄るように健太は聞く。


「は?あんたに言わないといけないの?」

「こいつ……」

「凛ちゃん、言ってあげなよ!」

「しょうがないなー。最近だと、京都」

「なんで、紗耶ちゃんの言うことだけ聞くんだ……」

「あはは……」

「そういえば、みんなってなんでここの学校に来た?」


と、健太が聞く。


「えっと……」


紗耶は少し、答えづらそうにしている。


「あっ、全然答えなくてもいいよ!」

「いや、ここのみんななら話せると思う。私、中学校の頃にちょっと女子とトラブって、不登校になっちゃって。で、お姉ちゃんからの勧めで通信制高校に来たんだ」

「そうだったんだ。ぼくも中学のときは、不登校にだったよ。体調不良でだけど」

「涼太くんもなんだね!」

「へえ〜じゃあ2人は最初からここに入ってるんだね」

「うん!」

「うん」


涼太と紗耶は答える。


「俺はねー、高校は全日制に行ってたんだけど、勉強まじで苦手で、途中でついていけなくなって、ここに来た感じ。」


と、健太が言う。


「あらら……」

「ふふっ。つまりアホってことか」


と、馬鹿バカにするように凛は言う。


「そういうお前はなんなんだよ」

「わたし?ただ通ってた高校の人らがうざったくて変えただけ」

「つまり、人間関係がうまく行かなかったんだね」

「お前こそ、そんな態度だから疎まれただけだろ」

「逆よ逆。うざったくて疎んだの」

「あはは……」


苦笑いする涼太なのであった。




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通信高校生は恋愛がしたい! 糖分先輩 @toubuntuyoshi

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