第7話 「驚き」
4月25日——
スクーリング1日目。
涼太は、前回、単位認定試験で行った会場と同じ場所でスクーリングが行われるため、会場まで地下鉄で向かっていた。
ついに2年生になって初めてのスクーリング。そして、初めてましろと会うという機会に涼太はワクワクしていた。
青「駅で待ち合わせして行かない?」
ましろ「いいよ〜。着いたら連絡する!」
青「了解」
直で行くと会場の座席が来た順なので、離れ離れになってしまうため、待ち合わせしていくことにする。
電車に揺られること数十分、会場最寄りの駅に着く。
青「ぼくもう着いたよ〜」
ましろ「わかった!私はもうちょっと!」
どうやら先に着いてしまったようだ。
ニュースアプリを起動して、ニュースを見たりして時間を潰す。
そうこうしていると。
ましろ「お待たせ!着いた!どこにいる?」
青「えっとね、場所は改札出てすぐのところ」
ましろ「了解!」
ましろ「あっいた!」
後から気づいたが、服装など外見の特徴を言っていないのによく見つけられたなと涼太は思う。
「久しぶり〜」
「久しぶり?」
「実はね……私ましろは……犬塚紗耶だったのですッ!」
「え!?あれ!?まじ!?」
「うん!改めてよろしく!」
「よろしく……まじか」
紗耶は、単位認定試験で仲良くなった女の子である。
涼太は驚いて仕方がなかった。
ましろもとい紗耶を改めて見ると、可愛く見えた。
身長は涼太より低い、160ないぐらいで、顔立ちは綺麗タイプよりは可愛いタイプだ。
それはさておき。
涼太は、いろいろあった軽い疑問が解消する。
単位認定試験のときに、隣の席だった紗耶が涼太の名前を聞いて驚いていたことや、SNSを聞かずに帰ってしまったことは、そもそも2人は知り合いで、SNSもすでに個チャで会話しているため、交換がいらなかったのだ。
本名についても、学校で使っているSNSアプリに設定しており、表示することもできるので、紗耶はそこで涼太のフルネームを知ったのだろう。
「まぁとりあえず行こうか」
「うん!」
驚いて固まっていたが、スクーリングに遅刻するわけにも行かないので、会場に向かうことにする。
「本当にまじで驚いた」
「ごめんごめん……!試験のとき、言えればよかったんだけど、タイミングがなくて、」
「それはしゃーないね」
などなど、2人は雑談しながら会場に向かうのだった。
◇ ◇ ◇
紗耶は、涼太に会うのは2度目だが緊張していた。
前回、試験のときに、涼太だと気づいたが、なかなか自分がましろだと言い出せず、ついにはそのまま試験が終わってしまったため、言えずじまいだった。
そのため、山川くんになんて言おうか、そんなことばかり考えていた。
◇ ◇ ◇
実際に、会ってみると驚いてはいたが、怒ったりはしていなくて安心する。
山川くんを改めてみると、やはりスラリとしているなと思う。
身長は自分より大きく160後半くらいで、軽く痩せ気味でスラリとしている。
顔立ちも整っている。
それは置いといて、無事会えてよかったと思う紗耶だった。
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