2話・現状報告
あと1、2話で視点は絢ちゃんに戻ります。
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「ゆか、その子誰?」
「あ……えっと……」
仲間からの質問に、この少女の事をどう説明したものか考えていると、少女は自己紹介を始めた。
「えっと、こういう時は確か……、
私の名前は姫宮 絢、私ここに行きたいんだけど、道を教えてくれない?」
そう言ってその少女、絢が取り出した紙には、大まかな地図と一緒に、私達が所属している町の名前が書かれていた。
「ここって……でも……」
「この子は連れて行っても大丈夫だと思う」
「それってどういうこと?」
「この子多分あの噂の少女だと思う」
「噂のって、あの『血濡れの白少女』!?
魔神……じゃないね」
私は首を縦に振る、仲間たちと話し合い絢を連れていくことにした、輸送車の運転役と怪我で待機していた二人に絢と私の事を無線で伝えて、ベットと席の準備をしてもらうように伝えた。
そのまま私は怪我のせいで仲間たちに担がれて輸送車に戻った、絢は何も言わず無言だった、絢が私に笑顔を向けるので、私も絢に笑顔を向ける、輸送車に付くと、私を担いでいた仲間がベットの上に荒々しく置いた、ベットに置かれた時、小さく声を上げてしまったのはまた別の話だ、2人重傷になったが、得た情報も合わせれば、結果としてはプラスとなった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
町に付くとすぐに担架が用意されていて、怪我をしている私達を病院に連れて行こうとしていたようだが、私達の怪我はすでに治っていた、到着してすぐに上層部から報告書の前に直接報告するように言われて、そのまま私達は絢を連れて上司の直接上司の所へ向かった。
私達の直属の上司は地位的にも実力的にもかなり上位の方に入り、私達が一班一部屋なのに対し、上司は個室が与えられている。
「お前ら無線の報告は全部本当か?」
「はい本当です、任務地点で大規模なモンスターの群れを確認しました」
「それで……なんだが、その子は何だ誰なんだ?
由佳君、君によく懐いているようだが、君の娘か?」
「違いますよ、多分ですが私達遠征隊の内で流行っていた噂の本人です」
「あの『血濡れの白少女』の噂か?
死にかけの時にふらっと表れて見ると気を失い、目が覚めると辺りには肉塊と血だまりしか残っていないというあれか?
確かに目撃情報があまりにも多いため、実在しているのではとは言われていたが、まさか本当にいたとはな」
私はなぜか緊張している、上司が絢にどんな結論を出すのかが気になっているのだ、まだ出会って半日も経っていないが、絢と離れたくないと思っていた。
「まあ、戸籍は何とかする、噂どうりならそれなりに強いんだろ、暫く君たちは遠征部隊から外す」
「え……何故ですか!?」
「落ち着け、遠征部隊からは外すが、養成学校の教師として暫くの間働いてくれ」
いきなり遠征部隊から外すと言われてクビかと焦ったが、ただの部署替えのようで少し安心した、しかも養成学校の教師は内勤のエリートだ、安心もつかの間、上司は驚くことを言う。
「後由佳君はその子の保護者になれ、食費や授業料くらいは私が払ってやる」
「えっ!?」
私は絢の保護者になってしまった。
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次回、由佳ちゃんと絢ちゃんの同棲生活です
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