起爆装置があったとすると
堀部安兵衛
起爆装置があったとすると
道の真ん中に一つ起爆装置を置いてみたとする。形は何にしようか四角かそれとも円形か。真っ赤なボタンをつけようかそれともT字型のハンドルか。まあなんだっていいだろ、些細な事だし。
道の真ん中に落ちてるわけだから、誰か一人くらいは気が付くだろう。
そしたら今度はこいつは何だと考え始めるだろうね。
それからしばらくしたら気が付くんだ、こいつは爆弾なんかを起爆させるための装置なんじゃないかってね。
で、そいつは悩むんだ。
ボタンがあったら押したくなるし、ハンドルがあったら回したくなるものだろう。
でも押して回して万が一爆弾が起爆したら大変だ。どんな罪に問われるかわからないし巻き込まれて命を無くす可能性もあるわけだ。
押さなくたって回さなくたってなんの罪にも問われないし、命を落とす危険もない。
だったらそのまんまにしておいて関わらないのが一番得だろうに、それでも押したり回したりしたい気持ちは変わらない。
こんなところに爆弾なんてあるわけないや、馬鹿らしいってな具合で少しの恐怖を抑えるわけさ。
まあ結局そいつは押してしまうし回してしまう。
別に爆弾なんてつけなくてもいいだろうけど、ついてなくても拍子抜けだろ。
だったらつけた方がいいし、そもそも起爆装置なんだから爆発するにきまってる。
それでも押してみるかい?回してみるかい?
起爆装置があったとすると 堀部安兵衛 @hasinayu
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