第8話 イアン・フレミング「ゴールドフィンガー」
☆一度目は行きずり
ボンドはメキシコで、麻薬密売犯を取り締まり、彼らが送り込んできた刺客を殺した。
空港で、ボンドはデュポンという男と出会った。
『カジノ・ロワイアル』(第1作)の夜、デュポンはボンドの隣席に座っていたのだった。
(このデュポンという男も、店の従業員に横柄な口を利く偉そうなやつで、読んでいていけ好かないんだけど、ボンドは気にしていない様子)
デュポンは、ウォーリック・ゴールドフィンガーという男とギャンブル勝負をするといつも負けてしまうという。
ゴールドフィンガーは、太陽が出ている間にしか勝負をしないと思う。
また、広場恐怖症のため、席は変えられないという。(広場恐怖症なのにゴルフができるっていうww 自分のついた嘘ぐらい覚えとけよw)
耳には、補聴器が差し込まれている(どう考えてもいかさまですww)
ボンドは興味を惹かれ、ゴールドフィンガーのいかさまを見破ってみようと思った。
ボンドはゴールドフィンガーの居室へ侵入した。
中にはゴールドフィンガーの秘書(ジル・マスタートン)がいて、双眼鏡を使ってデュポン氏のカードをゴールドフィンガーに告げていた。
ボンドは証拠写真を撮った。
ゴールドフィンガーは黄金に魅せられている、黄金マニアだそうだ。
ボンドはゴールドフィンガーに対して名乗りをあげ、
「自分の詐欺を認め、デュポン氏に対して謝罪金を払い、秘書マスタートンを人質に連れて行かせる」よう命じた。ゴールドフィンガーはそれに従った。
ボンドはマスタートンと一緒に列車に乗りながら、何度も濡れ場を演じるのだった(そこもっと詳しく!!)
☆二度目は偶然(ではない)
マスタートンは、ゴールドフィンガーの命じる通り帰ってしまった。
10日後、ボンドはゴールドフィンガーから、「ゴルフ対決」の挑戦を受けた。
ボンドはMから呼び出しを受ける。
イギリスで一番の金持ちは、ゴールドフィンガーだということだった。
金(きん)の監視をする、ということで、ゴールドフィンガーは要注意人物らしい。
銀行の専門家スミザースによると、金を密輸して商売するなら、インドが狙い目だということらしい。
ゴールドフィンガーはロシアからの亡命者だった。
そしてゴールドフィンガーには、インドへの金密輸の容疑がかかっているのだった。
ゴールドフィンガーは、貨幣を左右することで、世界制覇を狙うロシアの秘密組織『スメルシュ』の手先なのだろう、とボンドは考える。
ゴルフ場に来たボンド。20年前、ボンドが通っていたアルフレッドのゴルフ場だ。
(ボンドって何歳なんだ……?)
ボンドの腕前はハンデ9である。
(そもそもゴールドフィンガーは広場恐怖症なのにゴルフなんてできるわけないだろ!と思ったら、
ボンドがツッコんでいた)
アルフレッドは、ゴールドフィンガーを好きではないらしい。
ゴールドフィンガーはインチキをするのだ(本当に小物だなww)
ボンドはゴールドフィンガーに『賭けゴルフ』を申し込んだ。
(その後、ゴルフ勝負が続くのだが、ゴルフを知らない僕には全然わからんw)
ゴールドフィンガーはさっそくインチキを始めた。バンカーではボールを浮かし、相手の打つ番では影になるように動くなど、いちいちせこい。
おまけに、なくしたはずのボールを、自分の思い通りの場所に置くなどやりたい放題だ。
(ゴルフ中の会話で、「ミス・マスタートンは、仕事をやめてしまった」とゴールドフィンガーは語った。
しかし、それは嘘である)
勝負はボンドが勝った。
ボンドのキャディ、ホーカーが、ゴールドフィンガーのインチキに嫌気が差し、
ボンドを助けるためにインチキをしてくれたのだ。
ゴールドフィンガーは試合直後、怒りを爆発させたが、その後ボンドは、ゴールドフィンガーの別荘に招かれる。
ゴールドフィンガーは30分ほど留守にする、と繰り返してボンドを置いていく。
色々探索したのだがその様子は、盗撮されていたのだった。
証拠のフィルムを隠滅するため、ボンドは猫を言い訳に使う。
ゴールドフィンガーはオッド・ジョブという朝鮮人の汚れ仕事専門の男を雇っている。
手刀で手すりを叩き折る男である。
また、彼のシルクハットは合金で、板に突き刺さる刃なのだった。
ゴールドフィンガーの許可で、オッド・ジョブは猫を殺し、食べた。
ゴールドフィンガーは、ボンドに対して警告を与えているのだった。
オッド・ジョブは『世界では三人しかいない、カラテの黒帯をしめている男』だという(黒帯って3人しかいないのww??)
参考URL(個人ブログなので、信憑性は各自でご判断下さい)
ゴールドフィンガーはゴルフ勝負の後、警察に電話していたようだ。
相変わらず、せこすぎる悪役でため息しか出ない。
☆三度目からは敵同士
ボンドは。ロールスロイスのゴールドフィンガーを尾行する。
そのうち、ボンドは車で美人(この時点では明かされないが、正体は、ジルの妹ティリー・マスタートン。ゴールドフィンガーに殺された姉のジルの復讐を狙う)に追いこされた。
ティリーもまた、ゴールドフィンガーを尾行しているようだ。
ゴールドフィンガーがスメルシュのために隠して置いていった金の延べ棒を、ボンドは盗んでいった。
ゴールドフィンガーの尾行に、ティリーが邪魔なので、ボンドは急停止して彼女の車を壊した。
結局、二人でゴールドフィンガーを追う事になったが、何も進展はせず、二人は別れた。
車をそのまま走らせているとウォーリック社が見えてきた。目的地はここだ。
ウォーリック社は家具などを販売している会社だが、飛行機などにも資金提供しており、
それを利用して金の密輸をしているようだ。
ティリーがライフルでゴールドフィンガーたちを撃とうとしているのを、ボンドは見つけた。
それを止めたボンドは、ティリーから話を聞いた。姉のジルの復讐なのだという。
ジルは体中に金粉を塗られ、皮膚呼吸が出来なくなって死んだのだという(今の科学では、否定されているが、書かれた当時は信じられていたらしい)
ティリーとボンドは、オッド・ジョブに見つかってしまう。
投降し、ゴールドフィンガーと対面するボンド。
言い訳をするボンドに対し、ゴールドフィンガーは「一度目は行きずり、二度目は偶然、三度目からは敵同士」と言い放った(このセリフだけ妙にカッコ良かったので、見出しに使いました)。
ボンドはゴールドフィンガーに襲い掛かったが、失敗し、囚われてしまった。
金属板の上に拘束されるボンド。
上から落ちてくるノコギリでゴールドフィンガーはボンドを脅しつけたが、ボンドは気絶してしまった。
病院のようなところでボンドは目を覚ました。まだティリーも無事らしい。
ゴールドフィンガーの息がかかった病院のようだ。
ゴールドフィンガーは、ボンドが苦し紛れに言った『ボンドとティリーはゴールドフィンガーの下で働くから助けてくれ』という言葉を、半信半疑ながら信じ、助ける事にしたのだった
(いやいやww 007シリーズの悪役って、なんでこんなにバカなんだよww)
☆グランドスラム作戦・発動!
ゴールドフィンガーはアメリカの金塊が多数保管されている、フォート・ノックスを襲撃するため、選りすぐりのギャングを集めたという。
ボンドとティリーの仕事は、集められたギャングたちが『計画』に賛成か反対かを見極める事だった。
ボンドは興味本位から、女ギャング、プッシー・ギャロアの事を聞く。
ギャロアは元空中サーカス団だったが、そこから女性だけのギャングに発展したらしい。
ギャロアはレズビアンで、ティリーを誘惑した。
『グランドスラム作戦』。
フォート・ノックス周辺の水に毒を流し込み、警備を解いた上で、フォート・ノックスの金庫を襲撃するというのだ。
恐るべきゴールドフィンガーの作戦に、怖気を振るったギャングの一人は、ゴールドフィンガーに消された。
ボンドは、ゴールドフィンガーに疑われないよう、極力怪しげな動きを取らず、飛行機のトイレに『グランド・スラム作戦』の詳細を書いたメモを隠すのみにとどめた。
フォート・ノックスでは、人々が死んでいた。
しかし、拡声器を合図に人々は一瞬のうちに起き上がる。
混乱に乗じてボンドとティリーが逃げ始めると、
ゴールドフィンガーとオット・ジョブが、ボンドとティリーに襲い掛かった。
オッド・ジョブの帽子がティリーを殺し、ボンドとオット・ジョブの死闘が始まった。
しかし、絶体絶命だと思ったその時、オット・ジョブが逃げ出した。
ボンドの仲間、ライダーが駆け付けたのだ。
ボンドの書き置きが、飛行機のトイレ掃除人に見つかり、緊急でアメリカ大統領に届き、大掛かりな作戦でゴールドフィンガーの謀略を阻止したのだ。
ゴールドフィンガーは姿を消した。他のギャングたちも散り散りになってしまった。
彼の悪事の全ては白日の下にさらされたのだ。
ボンドはアメリカ大統領から感謝の念を伝えられた。
☆エンディング
ボンドはライダーと別れ、イギリスに帰る事になった。
飛行機で帰る際、予防注射を受けることになった。
注射を受けると、ボンドは昏睡した。
気が付くと、飛行機の中でボンドは拘束されていた。
なんと、オット・ジョブが隣に座っているのだ。そして、この飛行機はプッシー・ギャロアが操縦している。
ゴールドフィンガーもやってきた。
ゴールドフィンガーは、どうやって自分を阻止したのかボンドに尋ねた。
ボンドが頼んだ酒のグラスの底に、「私がついてる」というプッシーからのメッセージがあった。
ゴールドフィンガーは4人のギャングを1人ずつ撃ち殺した。
元々ギャングたちはただの使い捨てだったのだ。
ボンドは狸寝入りを始めた。監視のオッド・ジョブを油断させるためだ。
オッド・ジョブもつられて、少しずつ眠気に襲われ始めた。
彼がこくりこくりした瞬間、ボンドはナイフで飛行機の窓を斬りつけた。
飛行機の窓が破壊されると、オッド・ジョブの身体が機外に吸い込まれていった。
ゴールドフィンガーがボンドを蹴り飛ばす。ゴールドフィンガーとボンドの格闘戦が始まる。
お互い首を絞めあったが、ボンドが勝った。
気象観測船に、ボンドとギャロアは救出された。
ギャロアがボンドにマッサージを頼み、ボンドは彼女をマッサージしてやった。
ギャロアは男嫌いだということだったが、「今まで素敵な男を知らなかった」とギャロアは言った。
ボンドとギャロアは結ばれるのだった。
完!
☆ 感想
ゴルフ勝負と、グランドスラム作戦後がややだらけるが、全体的には締まった内容です。
悪役ゴールドフィンガーのセコさは目を覆いたくなるほどしょうもなく、(たまたま「ドクター・ノオ」の次に解析しているからなのだけど)またも朝鮮人の悪役が出てくるのも相変わらずですね。
ボンドが何もしていないのにギャロアに好かれるのはまさに意味不明だが、イケメンフェロモンの仕業でしょうか。
僕もこれぐらいモテてみたいものですw
基本的に肩の力を抜いてツッコミながら楽しむシリーズだと思っているので、そういう意味で、
前回解析した「ドクター・ノオ」よりも楽しめました。
シリーズの中で本作は「カジノ・ロワイヤル」・「女王陛下の007」に次ぐ3番手だと思っていますが、典型的な『よくある007』のプロットだったのでチョイスしました
(最初に偶然出会ったときは、せこい単なる嫌な奴だったのが、
突然、世界制覇やらをたくらむ大物に変貌するのは007恒例のパターン)。
☆映画版の感想
ほぼ原作に忠実だが、原作にはない、ボンドの秘密兵器満載の車で笑わせてくれるぶん、
映画版の方が面白い。
基本的に『原作至上主義』の人間なので、映画の方が面白いというのは割と珍しかったりする。
また、俳優さんの怪演のためオッド・ジョブの存在感が際立っている。
しかし、よく考えるまでもなくシルクハットを投げるよりも銃を撃った方がいいように思うんだけどw
やってる事は変わらないが、ゴールドフィンガーのウザさは映画版では軽減されている。
ティリー・マスタートンは映画ではすぐに殺されてしまうが、小説版でも生きている時間が長かった割にロクな活躍もせず殺されてしまうので、まぁどちらでもいいという判断なのだろう。
しかし、ティリーが無駄に美形なのが何とも言えず悲しい。
ギャロアは役柄にピッタリ合った女優さんだと思うが、ティリーの方が好みなんだよなぁ(ルックスは)。
映画から入った人(の方が多いと思う)は、たった一度キスをされただけでボンドに寝返るプッシー・ギャロアについて「チョロwwwwwwwwww」と思うだろうが、
原作では何もされていないのに、ボンドに一目ぼれして寝返るので、元々チョロいのである。
気にしては負けだ。
細かい点では、「グランドスラム作戦」に反対して殺されたギャングが、映画ではソロになっているが、小説版ではソロは賛成派で、殺されたのは違うギャングだ。
なぜ代えられたのか理由は全くわからない。
そんな細かい事を考えてしまう僕は、やはりこのシリーズには向いていないのだろうw
それを言うなら、『銃』『車』『ギャンブル』『酒』『コーヒー』『たばこ』『スリルのある仕事』『女』
のうち、『女』にしか興味がない僕は、そもそもボンド(イアン・フレミング)とは好きなものが違いすぎるのであった。
次はアーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」の予定です。
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