第3話
気づいたらかんちゃんはパトカーの中にいました。
かんちゃんの横にはけんちゃんがいます。けんちゃんはいつもかんちゃんの横にいてくれます。
かんちゃんはこれからどうなるのかが不安でした。
「けんちゃん、これから僕はどうなっちゃうの?」
「大丈夫だよ、かんちゃんは何があっても僕がいるから。」
かんちゃんは少し安心しましたがわからなくなっていました。
ロボットばかりの世界でロボットを殺したら捕まる。ロボットの世界に従って生きているのが正しかったのか、なぜ人間がロボットで逆らったら捕まっているのか。自分は見てない間は動いてないロボット達なのに、この世界はかんちゃんとけんちゃんの物なのになぜ捕まっているのか。ロボットからしたら自分は都合が悪いのか。
かんちゃんはしばらくそんなことをぐるぐると考えていましたが辛い時はけんちゃんが横にいてくれたのでたえれました。
だけど親が大泣きしていたのは応えたそうです。
あれでも親っていったて所詮はロボットなのになぜこんなにも心が痛むんだろう。
かんちゃんは自分が昔見た、ホームビデオを思い出していました。僕を産んだ時の映像は両親2人とも本当に嬉しそうで、あれ、今考えたらロボットにあんな顔できるんだろ…?
それからしばらくしてかんちゃんは裁判所にいました。大人達が色々言っていたけどかんちゃんは怖くて聴いていられませんでした。なので裁判中もけんちゃんに縋っていました。
「けんちゃん、大丈夫僕どうなるの?」
「大丈夫かんちゃん、どこに行っても一緒だよ」
「静粛に」
そして裁判長は言いました
「被告人を心神喪失で無罪とする」
え?無罪?何やっぱりロボットなんて殺しても大丈夫じゃん…
かんちゃんは安心しました。
すると
「どうしてよ!!私の息子を殺しといてなんでなんの罪もないのよ!!ふざけないで、今ここで殺す!!」
大泣きしながら半ば発狂状態に近い女の人がいました。その人は意地悪太郎君のお母さんです。顔はくしゃくしゃになりこの世の全てを憎むような声色で叫んでいます。
かんちゃんは警察官に連れて行かれる途端もその顔から顔を話すことができませんでした。
かんちゃんは病院のベットの上にいました。かんちゃんは今でもあの顔を忘れられません。
「けんちゃん…」
「なんだいかんちゃん?」
「あの顔が今でも脳裏にこびりついて忘れられないんだ…今になって殺した時の感覚が恐ろしくなって手が震えるんだ…僕はあんな心の奥底から悲しむような顔ロボットができるとは思えなかった。たった1人の息子が殺され二度と会えない…もしかして僕はとんでも無いことをしたんじゃ」
「…」
けんちゃんは珍しく何も言いません。
「…ねぇ、けんちゃん、もしかしてこの世に居る人もしかしてみんな"人間"なの…?」
その日から2度とけんちゃんが僕の前に現れる事はありませんでした。
かんちゃんけんちゃん クラピカ @kurapika_Utiha
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