第2話
学校に着くと2人はみんなとは違う教室へ向かいます。かんちゃんはその教室が好きです。なぜなら意地悪太郎君もおらずその教室は少人数で先生も周りの生徒も優しい人が多いからです。
でもかんちゃんは許せない事があります。それはけんちゃんの席を"用意していなかったこと"です。なぜかけんちゃんの席を用意しておらず何度も頼み込んだらやっと机を置いてくれました。それまでけんちゃんは立って授業を聞いていました。
なのでかんちゃんは所詮コイツらは優しく接する様にプログラムされたロボットと思っており、やっぱりけんちゃん以外は人間とは思えません。でも好きな方のロボットであることは変わらないです。
そんなこんなで放課後となりけんちゃんと仲良くお話ししながら帰っています。
「はぁ今日も学校終わっちゃったね、嫌だなぁ帰るの、ずっとけんちゃんと一緒にいたいよ」
「そんな事言わないでかんちゃん、今日も帰ったらすぐに遊びに行くからさ」
「本当!?絶対すぐ来てねけんちゃん!」
「本当だよ、かんちゃん僕がかんちゃんに嘘をついたことはないでしょ?」
「でも少しの間でもけんちゃんとは別れたくないや」
2人は今日も遊ぶ約束をし一旦別れました。今日もけんちゃんが遊びに来てくれるのでかんちゃんはワクワクでした。
「あ」「あ」
ちょうどけんちゃんと別れて1人になったタイミングで運悪く意地悪太郎君に出会ってしまいました。そこで太郎君は言いました。
「よう、いまはけんちゃんとは一緒じゃないのかよ」
「そんなの見ればわかるじゃん、今は1人だから」
「…あのさぁいい加減気持ちわりーんだよお前!!みんなお前をきみわるがってるのがわからないか!!誰だよけんちゃんってどこにいるんだよ!!お前昔はそんなんじゃなかっただろ!!!いもしない人間妄想で作り上げてそいつと遊んで楽しいのか!?!?」
は?
かんちゃんは心の中で思いました。
いもしないってなんだ?なんでロボット如きがこの世で2人しかいない本物の人間を否定するんだ?ニセモノはお前らだろ?
かんちゃんは大親友を否定されたのが許せなくなりました。
そしてロボットが作った世界でなぜロボットのルールに従って、ロボットに言われ放題言われてるのかがわからなくなりました。
でもかんちゃんは必死に堪えます。ここで反論したら負けなような気がしました。
「けんちゃんが本当にいるのたら見てみたいぜ、どうせ不細工のでくのぼうみたいな見た目してるんだろ」
プチっ
何かが切れる音がしました。
かんちゃんは自分が何を言われても耐えられますがけんちゃんが悪く言われるのはやっぱり耐えられませんでした。
それに相手はロボットです。ロボットが人間を否定する世界などおかしいのです。
だからかんちゃんは壊すことにしました。
近くにあった大きめの石で意地悪太郎君を思いっきり殴ってみました。すると赤い血が出てきました。
かんちゃんはロボットは壊したらネジとかが出てきたりするものだと思っていたので少し驚きました。驚きそして殴り続けました。
意地悪太郎君は泣いていました。泣きながら「ごめんなさい、殺さないで、許してください」と命乞いしていました。
ロボットのくせに死ぬ間際のことまでプログラムされてるんだなーと驚きました。
(泣いてんじゃねーよ、ロボットなのに)
と思いました
しばらく殴ると意地悪太郎君は声も出さなくなり完全に動かなくなりました。
かんちゃんは太郎君の返り血で汚れていました。
「ロボットなのにこんなにあったかい血を出すんだな」
かんちゃんがボソッと呟きその場を離れようとすると
「キャー!!人殺し!!」
と言う叫び声が聞こえかんちゃんは通報されてしまいました。
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