第10話 みどり破瓜
緑の身体は小刻みに震えている。もちろん寒いわけではないだろう。
両手で顔を覆っている。いつも強気な彼女でもこんな態度をとるんだとちょっとばかりおかしかった。
深は緑の両手をどけると、キスをした。ここまでは経験済みだ。
彼女の手が、深の背中に回る。
抱きしめられるとキスが長くなるが、まあ、いいかとおも思う。緑の体の震えが治まるまで唇と舌の感触を味わってやろうと思った。
自分の身体と緑の体の間に右手を入れる。柔らかいが張りのある乳房を掌の中に収めた。
揉むとボールのように弾力がある。掌で乳首を転がすと緑の口から切なそうな声が漏れる。
「気持ちいい?」
「うん、もっと?」
中は狭いが、侵入を妨げるような膜はない。
あれ、処女のはずなのに、よく分かんないけど、じゃあ入れてもいいね多分。もうぬるぬるだし。
深はコンドームを手早くつけると、あてた。
「入れるよ」
「え、もう、まって」
深は緑の腰を抱きかかえた。
「ぎゃ、ま、待って、い、痛い。痛い、痛い」
「なんで、膜ないのに」
「まって、やだ」
緑は深を思い切り突き飛ばした。
「わっ」
勢いあまって深はうしろ向きに転び壁にぶつかった。
「いたあ」
「痛いのは私、ほら、こんなに」
緑の内腿を、細い血の筋が伝っている。
「なんで、触ったら膜なかったし」
「ばか、あるもん。あったもん。深くんが今、引き裂いたんだよ」
「だって、指が」
「ばかあ、穴空いてなかったら生理の時どうなるのよ」
「あ、」
「もう最低」
「ごめんなさい」
「もう、強姦された」
さっきまでの勢いはどこへやら。深は完全にへこんでしまった。
何か知らないことが多すぎる、中途半端な知識。
「優しくしてくんなきゃさせてあげない」
「もう一回いい}
「ん」
今度は緑からキスをしてくれた。
よかった怒っていないみたいだ。
この時点でやっぱりいつも通りの力関係に戻っている。
上から順番、胸を触って、乳首を愛撫して、指を添わして、ここまではやり直し。
そのあとどうするの、あれしかないな。
舌を駆使する。みどりはヤダといったけど、無視。このヤダはヤダじゃない。
「お願い、もう、来て」
ほらね、たちまち緑の甘い声。
生だ、不安はあるけど、緑が望んだ。中の感触がわかる。さっきやっぱり破れたのだろうか、今回はすんなりと。
「うごいてもっと、もっと、いって、だして」
深は思い切り放った。
緑の手足が深を絡み取る。
無事に終わった後でカメラを取り出した。
自分で現像しなきゃ絶対に通らない写真をとる。
「大丈夫、萌には内緒だから、これからもあってね。あってくれなきゃばらすから」
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