第7.5話 心得ております(コルトSide)
読んでいただきましてありがとうございます。ななななんと!恋愛週間ランキング100位以内に!お礼に第7.5話を投稿させていただきます。
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勿論この次の第8話も同時投稿しております。
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神殿の洞窟の地底湖に赴くという勅命をアルフレッド様は国王陛下から賜ったそうですが、もうこの様な時期になったのでございますね。年月とは早いものです。
あの場で何が行われているかは存じませんが、我々下々の者が知る術はありません。いいえ、当事者は知ってはおりますが、知らないという現象が起きるので、誰も知ることができないのでございます。
それよりも私めが気になりましたのは、アルフレッド様とフェリシア様の様子でございます。
アルフレッド様はいつもとお変わりはありませんでした。しかし、フェリシア様は笑顔でありましたが、いつもより不機嫌な感じをまとっておいででした。
これはきっとアルフレッド様が悪いのでございましょう。
アルフレッド様は色々言葉が足りないところもありますので、私めがフォローをしておきましょう。
恐らく、フェリシア様は冒険者をしていることに対してアルフレッド様が反対していると思っておられるのでしょう。アルフレッド様はフェリシア様の全てを認めていらっしゃいますので、反対することはありません。
アルフレッド様の侍従として、できることをいたしましょうか。
ネフリティス侯爵邸に戻りますと、邸宅内が騒がしいですね。何かあったのでしょうか?
「何かありましたか」
近くを通り過ぎようとした侍女の一人を引き止めて、騒がしい原因を聞き出します。大凡は予想できますがね。
「侍従コルト様。お戻りでしたか。ただいまカルディア公爵令嬢様がお越しになりまして、いつものように紅茶が不味いとメイドの一人に紅茶を掛けて説教を始めたところです」
予想通りでありました。結婚式が一年後に控えたカルディア公爵令嬢は週に一度はネフリティス侯爵邸に来られ、あれが駄目だとかこれが駄目だとか結婚式のことに口を挟んで来られるのです。
そのついでと言わんばかりに、給仕についているメイドに文句を言ってくるので、誰もカルディア公爵令嬢の給仕に付きたがらないのが、現状でございます。
「そもそも、いつもお出しする紅茶は特別で、ネフリティス侯爵家の方々しかお出ししないものですのに! 私も一口ぐらい飲んでみたいです」
「駄目ですよ」
「わかっております! ですが『妖精女王の薔薇』と言われる紅茶を粗末にするなんて許せないです」
そうでございますね。ネフリティス侯爵家の方々以外に口にすることができるのは、今のところカルディア公爵令嬢とフェリシア様だけでございますから。
「侍従コルト様。我々には癒やしが必要だと思うのです。何故、今週は妖精のお茶会が無かったのですか? 理不尽です」
「アルフレッド様にお仕事が入ったからですよ」
「わかっていますけど……カルディア公爵令嬢様の給仕が私にまで順番で回ってくるのです。ですが、妖精のお茶会の壁際に控えるだけの仕事が争奪戦なのです。割に合いません」
時どき、目の前の彼女がメイドの衣服を身につけてアルフレッド様とフェリシア様のお茶会の壁際にいるとは思っていましたが、職務をなんと心得ているのでしょうか? 本当に最近の若者は……。
「いつも裏でコソコソとしていると思っていましたが、侍女職とメイド職は役割が違いますよ」
「それもわかっていますが、光の妖精とアルフレッド様の微笑ましい、お二人を見て癒やされたいです!」
彼女たちはカルディア公爵令嬢の対応に疲弊しているようですね。しかし、考えようによっては、これは使えますね。
「貴女たちは、ギルフォード様とアルフレッド様のどちらにつきますか?」
「突然なんですか? 意味がわからないのですが?」
まずは彼女たちをアルフレッド様側に引き込むことから始めましょう。アルフレッド様が望む侯爵の地位を得る下地は、このコルトが作っておきましょう。
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