296 進化の系譜 その268
寝てる捕虜を尋問……ではなく、脳みその中身を探るっていう、前の世界じゃやったことのない情報収集をする従者ゴーレムたち。恐らくはこちらの世界でもやった人は居ないんじゃないかなぁ?
似た事例としては催眠療法で寝てる相手を半覚醒状態にしてから質疑応答……くらいだろうか。
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──人外レベル5 その31──
〈ふぅ……これくらい、かな?〉
〈オツカレー……でゴザル(疲れてないだろうけど)〉
静かな室内ではレイジが他の連中(カルス除く)にアドバイスというか訊きたいことを聞いて質問し、虚ろな声で返って来た内容をカルスがメモを取るというルーティーンで情報を集めていた。
〈流石に5人分やると時間掛るねぇ……結構ダブった情報もあるし〉
〈それでも食い違いなんかも有るかも知れないから、訊くことは大事でゴザルよ〉
殆ど睡眠状態の脳は嘘を吐くことは難しい。訓練していれば嘘を吐けるのかも知れないが……
〈……纏め終えたぞ。清書してから主に提出してくれ。流石に疲れた……〉
カルスがそういうと、椅子を引いてから背もたれに背を預けて目を瞑った。この場で短い休憩に入ったのだろう。
〈ね、寝るの早いでゴザルよ……仕方ない。拙者とマリィ殿とで清書するでゴザルか〉
〈え、僕は?〉
〈レイジ殿も疲れてるでゴザろう? その辺で適当に座ってて……あぁ、無いとは思うでゴザルが、連中を見張ってて貰えると助かるでゴザルな〉
〈わかった。任せてくれ〉
という訳で、完全休眠状態のカルスは放置し、レイジに捕虜の見張りを気楽にやってて欲しいと任せ、ロムとマリィはそこそこ奇麗な文字だが雑に纏めてある訊き出した情報を清書することになったのだった……
・
・
こんこん
「入っていいよーー」
捕虜の尋問が始まってから凡そ半日が経過……流石にあたしの居室が復活する訳もなく。仮ということで城下の空き地に仮設住居が建てられて、その一室を与えられて休んでいた。勿論、昼間はできることは仕事してたんだけど……運ばれてくる建材の素材を加工して建材にするとか、魔物のドロップ品を加工するとか、魔石を一旦粉々にしてから均一な品質の合成魔石に再加工するとか……ハァ、チクショー……それ関係のレベルが一気に上がっちまったい……
〈例の捕虜から絞り出した情報を纏めて持って来たでゴザル〉
「お、ご苦労さま! って、他の連中は?」
〈慣れない作業で疲れた……とヘバっているでゴザル〉
「あ、あはは……ま、まぁ、そゆこともあるよね。本当、ご苦労様!」
という訳で、仮設住居にロムを招き入れ、1つしか無い椅子に座っててと命令した後はベッドにテーブルを寄せて渡された用紙を置いて読み始める。
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内容は次話で簡潔に抜粋します!
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