295 進化の系譜 その267

 フロハイランの軍人たちを捕縛。8人がアイアン・ウィンドに潜入し、現在5人……最初に2人自爆も同然に爆死し、尋問の為に集めてる途中に隙を見て飛び降りちゃって……後で捜索したけどちょっと見せらんない体になってたって話しだ。仕方ないので遺体は埋めたそうな……成仏しろよ?

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──人外レベル5 その30──


「ええっと……リーダーが含み針のマズルくん。サブリーダーが双剣使いのミランダさん。以下、役職名が無いから……っと」


 タンクのボルトン、片手剣のオムニ、格闘家のコレットと並べて読み上げると……いきなり苦しみだした。5人全員がだ……


「え、何?」


〈恐らく服毒したのかと……〉


 トーコが訝し気に苦しみだした連中を見ていると、ゴーレムくんが解説する。あぁ、暗部って奥歯とかに毒のカプセルを仕込んでいて、強く噛み込むと……ってまぁそれはいっか。


「マリィ」


〈はぁーーい♪〉


 呼ばれてマリィがアイテムボックスから瓶を取り出し……服用の小瓶ではなく、ぶっかけ用の大型の瓶だ……蓋をきゅぽんと開けると盛大にぶっかけた……目前で苦しんでいる捕虜たちに向けて!


ばしゃぁーーんっ!


「ぐ……くく……ぶふぉっ!?……なっ!?」


 苦しんでいた連中が薬を頭からぶっかけられて、驚きの後……更に驚愕の表情でもって驚いている。


「な……服用薬じゃないのに毒が消えてる、だとっ!?」


 他の連中も苦しんでいる所で解毒・治療されて驚愕の表情をしていた……まぁ、わかる。あたしも腹壊してた時に頭からぶっかけられて治療された時はびっくりしたもんねぇ……(苦笑)


※皮膚からの浸透で治療するにしても患部に到達するの早過ぎる件(笑)



「……で、結局また死のうとするから寝て貰ったって訳ね?」


〈そうですね。口を自由にしてないと喋って貰えませんけど、そうすると舌を噛み切ろうとしますし……〉


 自由にしてるのは頭部の一部なのでそれ以上は無理だろうが呼吸を止め続ければ窒息死もできる訳だ……普通はそんなことはできないが訓練された人間は何処どこか違うらしい……


「面倒だよなぁ……狂ってるのかな? フロハイランって……」


〈……かも知れませんね〉


 という訳で、生き残り5人を魔法に依る強制睡眠で眠らせて、記憶を探ることと相成った訳なのだった。ちなみに、実行役はレイジがすることとなった。いや、精神に影響のある魔法もこいつが習得してたからね……範囲魔法には強制睡眠で行動不能に陥れるって比較的穏健な魔法もあるんだけど、その派生魔法でね(苦笑)


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トーコ「まさか捕虜を魔法で尋問する時が来るとかねぇ……」

レイジ「で、何を訊けばいいんで?」

ロム 「戦闘バカだからその程度も想像が付かないんでゴザルか?」

マリィ「あんただって近接戦闘バカじゃない?w」

ロム 「失礼な!……でゴザル」

カルス「お前ら、静かにしろ……」

トーコ「取り敢えず、フロハイランの知ってることを洗いざらい」

ロム 「……時間掛りそうでゴザルな」

 静かに頷き、レイジの言葉をメモするカルスだった……(苦笑)

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