292 進化の系譜 その264
空に浮く巨大な飛空艇「アイアン・ウィンド」……それが突然爆発炎上する!……そして外部からの攻撃ではなく、内部からの工作だと見たトーコは犯人を見つける。ゴーレムしか作業していない中から唯一人、人間の姿を!
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──人外レベル5 その27──
地上に居ても何もすることができない為、転移門に向かう。今でこそ、アイアン・ウィンドに侵入させまいと見張りが付いているが、普段は誰も付いてないんだろう……全く油断し過ぎだ。
びゅいぃん……
転移門を潜る。現在は特に指定しなければ飛空艇内に設置した転移ゲートに転移する。転移先を再設定しなければ消費魔力も減るし、低魔力強度で接続しっぱなしにしておけば、起動→転移→停止……の繰り返しよりも燃費はいい。パソコンの電源オン→使用→電源オフよりは、使わない間はスリープモードにしておいた方が電気を食わない……というのに似ているらしい。
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「
……おーー、居る居る。魔導エンジン区画に1人。魔石倉庫区画にも2人。艦橋区画にも2人……少ないとはいえ、侵入させ過ぎじゃ?
(悪意を持ってないけど人間の反応も居るな……魔導エンジン区画か)
都合6人が侵入しているって訳だな……と思ったら、通常倉庫区画にも死体となって転がってるのが2人……狭い所で爆発させたら死ぬってわかっててやったのか?
『あーー……通常倉庫区画はどうなった?……火災は鎮火した?……了解。そこに人間の死体があるから……あぁ、うん。さっきの爆発の下手人だと思う……処理?……任せた』
死体の処理で収納してくれっていわれそうだったので丸投げしたよ。流石にまだグロ耐性は余り付いてないし……情けないけどね?(苦笑) 特に元人間としては……平気になっちゃったら、何か大切なモノを失った気がしないでもないし……
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〈……は泣いているぞ? さっさと投降しなさい!〉
取り敢えず近い所から……という訳で、通常倉庫区画はスルーして魔導エンジン区画も遠いし魔石倉庫区画に来た……ら、どっかで聞いたような犯人の説得フレーズが聞こえて来た。
「くっ……ゴーレムがお涙頂戴な説得とか……どうなってんの!?……この飛空艇の連中はっ!?」
あ、敵国の暗部の連中が戸惑ってるや(笑) 見た目はゴーレム然としてるからねぇ……うちの量産簡易ゴーレムは。腕や足は細いから中に人が入っているって感じじゃないし……(苦笑)
〈故郷の親兄弟や姉妹は泣いてるぞ? さっさと投降しなさい!〉
あぁ、さっきはああいったのか……つか単純過ぎるだろ(苦笑) でも、まさかゴーレムにあんな説得されるとは思ってなかったからか何か焦ってるし……敵国の人間はお涙頂戴な説得には弱いのかな?
「くっ……む? お、お前は人間かっ!?」
と喚くや否や、拳銃らしい物を抜いていきなり撃って来たし……
ガンガンガン!
ちゅちゅちゅいん……
当然ながら、常時展開してる防御障壁に消し飛ばされる銃弾。多分鉛弾だよな?……通常展開してる障壁は高熱じゃないので普通に弾き飛ばし、跳弾したけど壁に埋まった。いや、銃撃戦も考慮して小さい弾丸が衝撃吸収して埋まるように設計しといて正解!
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敵暗部A「なっ!?」
敵暗部B「弾丸を弾いたぁっ!?」
敵暗部A「それより跳弾しないで埋まったぞっ!?」
敵暗部B「この飛空艇は何て最先端の技術の塊なんだ……是非接収せねばっ!」
トーコ 「……アホか?」
※接収云々よりも殺されるか捕虜になるかの二択しかないと思うんだけど?……と、トーコは呆れていた(苦笑)
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