290 進化の系譜 その262
城がほぼ全損と、僅かな
「さて……」と口に出すトーコ。現在、中枢の人員だけで会議中だ……
トーコ「このまま黙ったままでいるべきか?」
宰相 「舐められた儘でいるべきではない……と愚行致しますが?」
長たち「体制が整い次第、反撃に出るべきだと「待て!」……は、はぁ……」
トーコ「お前たちの考えは理解した。だが……」
宰相 「お伺いを立てる、ですよね?」
トーコ「うむ」
宰相 「それでしたら既に許可は得ています」
トーコ「早いな……わかった。後は任せる」
全員 「ははっ……」
……という訳で、トーコは進撃するに当たって必要そうな装備やら何やらを用意することに……女王なのにやってることは、何故か下っ端の生産工房員みたいであった(苦笑)
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──人外レベル5 その25──
空に浮いている……巨大な……巨大な飛行船。否……飛空艇だろうか?
「ちょーーっと
「飛空艇の名前は……アイアン・ウィンド……とでもしとこうかしら?」
飛空艇のサイドに、ビシッ!……と刻印される船名……見上げている者たちからは「おお!」……と声が上がる。
そして、飛空艇「アイアン・ウィンド」に物資を運び込む輸送艇も開発され、次々と物資やら人員がアイアン・ウィンドに運び込まれるのであった……無論、人員は簡易量産ゴーレムで、飛空艇を開発に際し……重量を軽減、身体構造を見直した改良版だ。能力的には初期量産の個体より20%重量が軽減され、より人間の体重に近付けてある。それ以外は初期量産型と同等能力といえよう……
「……産業革命レベルを飛び越して第二次世界大戦後期くらいになっちゃったかな?」
尤も、魔法技術を応用していることから、その技術レベルは現代の航空機を凌駕しているが……追いついてないのは飛行速度くらいのものだろう。風魔法の推進器全開でようやく亜音速に至る程度ではジェット戦闘機には負けるのだから(ジェット旅客機とどっこい?)
※空気抵抗などは風の結界を張ることにより余り影響を受けない。結局、船体の大きさと重量に依り音速を突破できないだけ。同等の技術で一人乗りの戦闘機を作れば楽勝で音速を突破可能だが、魔石の積載量もあるのであっという間に魔力切れで墜落することだろう……アイアン・ウィンドも通常の飛行速度はそれ程出せない(魔石の積載量と消費コストの兼ね合いで)が、それでも早馬を軽く凌駕する速度で飛行する
※通常時はプロペラに依るローコストな飛行を。緊急時や戦闘速度では風魔法を用いた推進器を用いたコスト度外視の飛行方法を採る
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『当初の予定通り、人員・物資の積載完了したでゴザルよ』
過不足が無いかチェックしてたらロムから連絡の念話が入った。
『……了解。念の為に設置した転移ゲートは安定した?』
転移ゲートは城の転移門……まぁこっちも中身は転移ゲートだけど、固定式でいっちゃん安定してるので敢えて「転移門」と呼称している……と繋がっている。座標が常に移動するので不安定っちゃ不安定だけど、高性能な制御コアを繋いで何とか使えるようにしている。
『今の所は問題無いでゴザルよ……先程、第101試用術式をテスト運用して、成功した所でゴザル』
輸送艇で運ぶのにも限度があるし、アイアン・ウィンドに載せると割と重量があるので転移ゲートのテストを兼ねて物資を運び込んでいる。現在は
『ま、失敗はしてないようだけど、不安定だからなるたけ安定転移して貰わないと……か』
『そうでゴザルな……あぁ、次の物資転移で完了でゴザルが、何かあるでゴザルか?』
『じゃ、幹部全員下に降りて来て。最終確認の会議を行うから』
『了解したでゴザル。では後で……』
カッ!……どごぉぉんっ!……
……と、念話を切ろうとした所で、アイアン・ウィンドが赤く光り、爆音が響き渡るのだった……
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トーコ「何だ何だっ!?」
誰か 〈敵襲です!〉
トーコ「見りゃわかるってのっ!」
※大混乱(笑)
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