289 進化の系譜 その261

 グラスランド領主に呼ばれて事後だが報告をするトーコ。取り敢えず、報告書を精査するというので復興資金と称した金銭を受け取り、ツ・バレイに戻ることにしたが……

━━━━━━━━━━━━━━━


──人外レベル5 その24──


「じゃ、素材やら建材の回収を頼むわね?」


〈了解したでゴザル〉


〈預かったこのアイテムボックスに入れて持って帰ればいいんだろう?〉


 ロムとカルスがダンジョンアタックをすることになった。勿論、2体だけでは問題があるのでお供も何体か付けた訳だが……


「お供が追いつけない程早く進まないこと。後、そのアイテムボックスが満タンになったら必ず戻ること……いい?」


〈わ、わかったでゴザル〉


〈うむ、無理することはしないと誓おう!〉


〈〈〈……本当かなぁ?〉〉〉


 ロムとカルス以外のゴーレムたちの心の声が、本人たちは呟いたつもりだろうけど、聞こえていたのだった……(苦笑)



 その頃……某国では這う這うの体で帰還した残存兵たちと共に指揮官クラスの軍人が帰還していた。


「何故だぁっ!」


ズダァァンッ……


 痛むの構わずに両腕を重厚そうな木のテーブルに叩き付ける。物に当たっても意味は無いというのに……


「何故……絶対的に、圧倒的に我が軍の方が有利だった筈だっ!……あんな興ったばかりの新興国に……何故負けたぁっ!」


ダンダンズダァンッ!……


(だから下調べを済ませてからと進言したのに……)


 男の部下は口に出さずに、そんなことを思っていたが……喪った数千もの軍人、失っても余り痛む腹は無いが、国としての戦力低下は否めない奴隷兵、そして貴重な地竜と切り札のドラゴン……さて、どうやって国王や宰相にいい訳をすればいいか……


(あったま痛いわぁ……この脳筋の将軍の尻拭いをしなきゃならないと思うとさぁ……ハァ)


 血を流して激高する上司に近寄るのもアレなので、目配せで治療兵を呼ぶと……素直になれない脳筋将軍は、数人の将校に取り押さえられてから医務室へと連行されてったのだった(苦笑)


━━━━━━━━━━━━━━━

 怪我は自傷だけだったので後方でふんぞり返って命令してただけと思われ(苦笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る