242 進化の系譜 その214

 領主邸の近くまで接近したら攻撃を受けたでゴザル……え? 「ゴザル」はそれがしの「あいでんててぃ」だから使うな?……面倒だなぁ……

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──人外レベル4 その39──


しゅいん……


「領主の寝室に転移完了!」


〈敵影は確認できないでゴザル〉


 無事、座標を違えずに短距離転移テレポートを完了できたようだ。


「……あ、領主居た」


 ベッドに寝ているようだけど……見た感じ、意識は無いみたいで寝ているというよりは……


「機能停止してるアンドロイドっぽい?」


 一応、脈を取ってみたけど脈動は無し……でも死んでるようには見えない。常温でコールドスリープに入ってるような?(体温は寝ている人体並だった)


「おや、よく来たな」


「ぴっ!?」


〈領主殿……で、ゴザルか〉


「如何にも」


 腰の剣の柄に手を掛けてあたしの前に立って様子を見ていたロムが、その正体に気付いて構えを解いた。どうやら、この寝てるのは影武者……は日本の殿様や将軍様のアレか。面倒だからそれでいいや……らしい。


「ちょっと不穏な空気が流れてたんでな。身代わりを頼んだら……こうなってたようだ」


 溜息を吐きながら近付いてくる領主のおっさん。


〈……で、どうするんでゴザルか?〉


「何がかね?」


「あーー……ロム。この人、本物だから」


〈……わかった〉


 一応、以前会った時のデータと照合して本人だってのは確認した。いちいち鑑定とか解析掛けるのも失礼だからね……。でも、味方を殆ど失ったも同然の状況なのに堂々としてるよね……このおっさん。


「そうだな……既に王都や周辺の味方には情報は行ってるだろうし……その内に援軍は来るんじゃないかと思ってるがね……」


(援軍て……どう足掻いても隣町からでも準備してからじゃ数日は掛かるんじゃないかなぁ……)


 ……と思ってた時期があたしにもありました(苦笑)


「何、トーコ女王に派遣したアンドロイド部隊を使えばすぐじゃないのかね?」


 いや、そうだけど……アンドロイド部隊つっても、戦闘に使える個体って10数体くらいじゃないっけ?


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領主 「ゴーレム部隊は増産してないのかね?」

トーコ「いやいや、戦争するなんて想定してないので……すぐ動かせるのは冒険者パーティ程度しか居ませんよ!」

領主 「そうだったのか……簡易量産は可能かね?」

トーコ「今居る子たちのコピーですか?……まぁできなくはないですが」

 まさかの小規模戦闘が勃発するっていう……敵は何処の誰なのかは、トーコは未だわからず……

※現存個体を頭とした小隊を数グループ程度ならできなくはない

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