120 進化の系譜 その100

 ランクアップ1日祭り再び(Eの方は確認の為だったけど)……という訳で、過去最短記録を塗り替えたトーコ。ランクE(Eは確認だからランク変動無し)からDまでのランクアップを経ったの2日で成し遂げてしまったのだ。同年齢帯の少年少女なら、大体1箇月以上は掛けてこなす日程だったのにだ……

 自分自身でこなすにしても、トーコなら獲物を集めて持ち帰るのに多少時間が掛かるだけ。従わせているロックゴーレムを主に運搬に利用しただけで倒すのは本人がこなした……と聞けば、

「しょうがないわね……」

 ということとなる。まさか、魔法を使うなともいえないレイチェル女史は、不本意だがランクアップを認めざるを得なかったのであった……

※ゴーレム使いであっても、普通は子供の頃から2体も同時に扱えません

 幼少時は人形サイズのゴーレムにぎこちない動きで動かすのがせいぜいだそうだ……(苦笑)

 制御できる魔力を考えれば、それが妥当……

 つまり、水と土の操作能力を持つトーコは、既にこの世界では常識を逸した存在ともいえる

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──さて……いざダンジョンにゴー!(ノリが前と同じだぞw)──


 近所のダンジョンは、入り口と通路の高さが余り高くないらしい……ということで、序盤は中型人間大ゴーレムをお供にする!……という訳で、河原に素材を求めて歩くトーコだった。


 場所はグラスランドの町の外壁の外を流れてる小川の川原だ。トーコの山から流れている小川は町の中には流れ込んでおらず、外壁の外を迂回して水源の1つの大き目の河川に合流していた。そちらを見てみたい気もしたがこちらから歩いても壁で見えないと聞き、小川の河原の砂利と小石を利用することにした。



「この辺でいっかな?」


 南門からやや離れて門番の人が殆ど見えない位置だし、中型のゴーレムなら創ってもそれとわからない距離だと思う。


「ゴーレムの形状はどうしようかな……」


 ロッ君は割と大きかったので細身でも問題は無かった。尤も、純戦闘用って訳じゃなかったし……今度は純戦闘用で防御にも攻撃にも活躍して欲しいから。でも、速度は落としたくないので多少厚めの装甲と俊敏さを失わないような形状。


 武器や防具は手持ちの方が汎用性はあるけど取り落としたりしたら不利になるし……


◎基本は人間のような素手で、戦闘時には手から剣や盾を出す

◎体も戦闘時には装甲を展開して防御力アップする

◎武器は基本は剣と盾だけど、状況に応じて両手剣や弓矢に切り替えられる

◎場合に依っては砲弾を撃つ砲塔になったりとか……

◎多数を相手にはショットガンになったりとか……

◎長距離の先を撃ち抜くライフルになったるとか……

◎勿論、その際の素材はその辺の地面の石ころとか岩石とかね?



 ……などと考えてたら、いつの間にか河原の砂利とか小石が掘削されたかのように消えていた。


「あれ?」


 そして、あたしの身長よりは高いけど……、やたらがっしりした体躯の普通の大人くらいの背丈のゴーレムが待機していた。


「え……と?」


〈名前を付けて下さい〉


 マシンボイスのような声が脳裏に響く。え?……このロックゴーレムの声?


「えーっと……んじゃ、ロム……でどうかな?」


 ロックゴーレムの1文字目と最後の文字を繋げただけの単純な名前だけど。


〈御意……我は「ロム」……名付け、有難う御座います〉


 片足を地面に付け、まるで騎士が王にかしずいて忠誠を誓うような感じに……。いや、肩に置く剣は持ってないし……第一、背丈足らないしっ!


 つか誰ですか!?……ロム兄さんつった奴!


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 マシンロ●……●ロノスの大逆●……ウッ、アタマガッ!

※合体して巨大化が進むゴーレムとか出る予定はありません(笑)

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