17 進化の系譜 ──監視サイド その6──

 某監視員のせいでT氏の家には白い美少女が居ると喧伝けんでんされる。無論、直接いい触らす訳ではなく……作ってSNSなどを通じて拡散される。SNSのアカウントは捨てアカを用い、スマホもいつでも捨てられる物を使う徹底さだ……

 やがて、白い美少女はネットを通じて全世界に拡散され……T氏にとって招きたくない客人が訪れることと……なる。

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──招かれず客人1──


「……ん?」


 偶々監視モニターに映った不審な人物。


「2階?」


 見えている場所は2階のベランダだ。そこに数名の黒ずくめな人物がベランダのガラス窓に陣取っている。そして侵入を果たした黒ずくめたちが中で見事に……


すてーん!


 と、ころんだ。


「何かしら、これ?」


 思案していても解決できない……と思っていたら電話が掛かって来る。見れば、あの子からだ。表示されている番号は貸し出したガラホの番号だからね……


「もしもし?」


「あの私です……2階から不審な音が……」


 と、電話がきた。やれやれ、これで人を出せるわね……と安堵し、人をやるから1階で静かにしておいてと伝える。さ、お前たち出番よ!……という訳で、監視でダラダラしてる他の連中に喝を入れてから出動する……


 ダラけてた連中も、暇潰しには丁度いいと、張り切って出掛ける準備を……いや、んな武器は要らないって。町内会の人員が銃なんて持ち出したらダメだって!


 サスマタ?……まぁそれくらいならいいけど……捕縛はロープだけね!


 こらそこ!……人間用の檻なんて持ち出すな!……どうやって運ぶんだい?


 ……とまぁ、常識がちこっと飛んでる連中は扱い辛いったら。普段、監視の仕事だけさせてるのがいいってのは本当だねぇ……ハァ。


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 T氏の行動の裏ではこんな苦労が……つか、この町は一体なんで監視の仕事が……全ては謎である。

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