15 進化の系譜 ──監視サイド その4──

 あれから4箇月が経過した……。夏のヤバイ暑さも鳴りを潜め、今は冬だ。

 あの子の監視も続けているが今は担当が増えてしまった為に、あの子は女房に任せた為に第1監視者のお話しは尻すぼみに……

※第1監視者=T氏を最初監視していた町内会会長のこと

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──第2監視者の目から見たT氏──


「Tさん、町内会会費の徴収です!」


「う゛……はぁーい……」


 旦那から担当を譲り受け、これが監視者と被監視者の初接触なのだが……


「あ、おはようございます」


 見た目、白い娘っ子が出てきた。


「……えっと?」


 確かここの子は成人男性(但し、見た目は高校生くらい)と聞いてたんだけど?……監視装置では生活反応はあるけど、実際に姿を見たのは今回が初めて。いや、きちんと仕事しろよって思われるかもだけど旦那からはこの家の監視をしてくれっていわれただけだしねぇ……


「あ、Tです」


 あぁ、本人の名前(苗字だけど)で名乗って来たけど……一応訊き返してみようかしら?


「えっと、Tくんの娘さんかしら?」


 少し考えた後、


「え、えーと……あ、そうそう!……Tに養って貰ってるんですよー」


 と答えて来たわ。少し苦しいけど……一応乗っておいた方がいいかしらね?


「あら、そうなの?……あの人も隅に置けないわね?」


 知らないし会ったこともないけど……。あぁ、普段は町内会会費なんて町内会員が順番に徴収して回ってるから……普段はそれぞれの家の奥様方が2人1組で順番に担当して徴収して回ってるって訳。会長やその嫁あたしが徴収することなんてないから……そんなことに気付かないであの子は町内会費の額を教えると、家の中にお金を取りに引っ込んでった……


 うーん、これは……。旦那に相談案件かしらねぇ……


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(こりゃあ面白くなって来たわよぉー!)

 ……と、会長の女房さんは思うが心の奥底に秘め、町内会費を受け取ると

「最近色々と危ないから気を付けてね?」

 と注意を促すだけに留めるのだった……

(何でこんな面白いことを内緒にしてたのよっ!?)

 ……と、後で旦那をとっちめてやろうと心に誓いつつw

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