14 進化の系譜 ──監視サイド その3──

 監視者は気付く……監視対象が水しか飲んでないことに。

 そして監視者は思い悩む……。自分からは手を出せず、唯々見ることしかできないことに……

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──何もできずに1箇月が経過……──


 あの家は矢張り……公共料金は水しか払って無いようだな。調べたら、電気も、電話も……、ガスすらも止まっていた。そして、唯一生き残っている水道も……、1箇月に30㎡すら使ってないという……。


「これでどうやって生きて行くというのだ?」


 監視をサボってた訳ではないぞ……? いや、定期的には見ていたのだが……最近、彼の子の体格がな……随分と幼子みたいな……あ、いや。食べてなくて痩せ衰えた。というよりは……


 縮まった


 といった方がしっくりくる……。


 そして……確かあの子は黒髪黒目だった筈……。そして、目前のモニター内のあの子は……


「白髪銀目で……肌が白い」


 別人だろうか? ……いや、最近は殆どに外出をしてない筈……。では、彼は誰なのだろうか?……ということになるが。


「……詳しく調べないと」


 わからないと判断した。上に伺いを立ててから更なる調査を進めつつ……可能なら保護をするべきだ。


「あー……でも、あいつ……協力してくれるかなぁー?」


 と、迷いながらも、頭をガシガシ掻くのだった……


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 タダでさえ薄い頭髪をそんなに掻くとツルっ禿になりかねないYO!

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