優しい人は笑えない
昔は何だって笑えてた
なんにも知らなかったから
おかしな格好のどこかのピエロがどったんばったん踊っても
おもちゃの兵隊がおもちゃの爆弾でブリキの手足をもがれても
僕らはお腹を痙攣させて笑った
そのうち僕らは気付いてしまう
ピエロは十年後か明後日か次の瞬きの後の僕らで
兵隊には血と肉と神経があって
どうしようもなく痛んでいること
共鳴した痛みはもう笑えない
誰かの鋭い笑い声が粗塩となって浅い傷口を刺す
優しい人は笑えない
いつも胸に苦い涙を
顔に悲しみの微笑みを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます