帝都のクリスマス(聖剣の行方)

第21話 聖剣の行方

「ハルキ〜、ハルキ、ハルキ、ハルキー!」

 夕暮れの街角で、焦燥と不安が交じり合った声が響き渡る。

 街の灯りが少しずつ点灯し、日が沈む中、叫びは切迫感を伴っていた。


「おっさんが見つめながら何回も呼ぶな!」

 苛立ちが口調に滲む。心配と困惑が交錯する心情が、声に宿っている。


「ハルキ! 大変なんだよ、俺はもうどうしたらいいのかわからんよ」

 途方に暮れたツノダの心情が、街の喧騒と共に胸を締め付ける。


 イレイサー事務所ではツノダがハルキを見つめながら困った顔をしている。曖昧な照明が事務所を包み込む中、ツノダの視線は真剣で、決断を迫られていることが伝わってくる。


「なんなんすか、今度は。俺は何もしてないすよ」

 ハルキの声には混乱と戸惑いが込められている。


「そうなんだよ、こないだお前たちがバグトンに行ってる間にな、他のバディ何組かに聖剣のイレイス指令が来てたの、お前知ってるだろ?」

 緊迫した雰囲気の中、ツノダは言葉を投げかけた。その声には、急転直下の状況への焦りと悔しさが交錯し、この出来事が胸に重くのしかかり、現実が厳しい光景を描き出している。


「ええ、あん時はほんっとツノダさんに騙されたよ、偽情報掴まされて、挙げ句に鐘の化け物退治させられてさ。おかげでニッタの事が国家情報保安局にバレちゃったじゃないすか、どうすんですか、ほんと」

 ハルキの声からは悔しさと怒りが滲み出ている。失敗と裏切りに苦しむ心情が、彼の言葉に込められている。


「だからそれはごーめーんて。しかたないだろ、あんな所にカタデリーの実験施設があるなんて思わないだろ? って、あー、それどころじゃないんだよ」

 ツノダの声は謝罪と焦燥感が入り混じり、状況の深刻さを強調している。彼の心情が切迫しているのは明白だ。


「それどころじゃないだと? てめえ、ツノダ、もう呼び捨ててやる。ツノダ、ツノダ!」

 ハルキの叫び声が胸に突き刺さる。友情の崩壊が迫りつつある中で、彼の心情が激しく揺れ動いている様子が伝わってくる。


「え? あ、はい。なんでしょう?」

 ツノダは驚きと戸惑いを交えながら答えた。


「何があったんすか、って聞いてんだろ?」

 ハルキの声には深刻な状況への疑問と心配が滲んでいる。


「ああ、そう、それ! 実はな、その聖剣、イレイスには成功したんだけどさ。憑き物を落とした途端、本来の力を取り戻しちゃって、ピカーッて光ってどっかに飛んでっちゃったんだって。どうすんだよ、また上に何言われるか考えただけでさあ。どうしよう?」

 焦燥と混乱がツノダの声に滲んでいた。まさかの展開に頭がついていけず、焦りが募っている。


「知らねえよ、俺にどうしろって言うんですか? 見つかるわけないじゃないっすかそんなもん。新しい持ち主を聖剣が選ぶまで出てこないっすよ」

 ハルキの声には無力感と憤りが入り混じっている。


「そうなんだよお、だから困ってんだよー」

 ツノダの声は、混乱と困惑が深まっている。

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