〝いじめ〟の先にあるもの。



「はぁ?助けるのに、理由なんてあるわけ?」




私の質問に顔をしかめて、

〝バカじゃねぇの?〟みたいな顔をする男の子。




「っ、り、ゆう、」




〝いじめ〟られる理由も。




〝いじめ〟を助けられる理由も。




私には、どっちも、

もうすでに分からないのに...............




「あのなぁ、俺はな、

〝いじめ〟るやつの理由は知らねぇ、」




男の子こと、真島寛太くん。




「でも、

〝いじめ〟を助けるには理由があんだよ、」




〝何か〟を分かってるように言う真島寛太くん。




「そ、れは、なんです.........か?」




それは、開けてはならない、

パンドラの箱を開けるような質問。




「〝いじめ〟の先にあるもの。

それは〝何も〟ねぇんだよ、

だから、〝いじめ〟なんてくだらねぇ」




〝いじめ〟の先にあるもの。




それの答えを簡単に言ってしまう真島寛太くん。



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