第三十六話
そして私も、クッキーを
「あの、どうぞ
「本当?
すると思い出したように、
「はい、これ! 萌乃先生に、あげたのと同じクッキーだけど!」
二人のクッキーを一枚づつ食べた私は、言い
「ま、あんたたちにしては、
すると翔真は、
「春花ちゃんにはいつも、勉強を教えてもらってたりするから、そのお
「あ、いや、別に。まあ、いいんだけど……」
ふと宗一郎を見ると、やはりニヤニヤしていた。
●
その日の夕食。私はお母さんに、注意した。
「もう! 食べ物をテーブルに落としたら、すぐに
お母さんは「はーい!」と答えて、
「何か春花って、たくましくなったわねえ……。昔は私に注意なんて、できなかったのに……」
私は、『ハッ』とした。あいつらだ。あの翔真と宗一郎のせいだ。
しょうがないので、私は
いや、それはどうだろうか?
私は、大きなショックを受けた。まさか自分にまで、ツッコんでしまうとは……。
次の日。
「こらー! 宗一郎! 四年生の女子を、ナンパするなー!
そして翔真! もうすぐ理科の
あーもー! いちいち私に、ツッコませるなー!」
●
八年後の七月上旬。
私は大海での授業のアルバイトが終わったので、
「あの~、今日の授業は全部終わって……。って、翔真君? どうしたの急に?!」と私は、
そして今年の春に、東京大学に入学した。更に入学して一カ月で、『
そしてグラフは、四つできる。
一つ目は、このまま何もしない場合のグラフ。
二つ目は、
三つめは、二酸化炭素などの温暖化の原因のガスを、地下や海底に
そして四つ目は、燃料電池や再生可能エネルギーを使い発電による二酸化炭素の排出をゼロにして更に、二酸化炭素などの温暖化の原因のガスを、地下や海底に埋めた場合のグラフだ。
ねらいはもちろん、発電による二酸化炭素の排出をゼロにして更に、二酸化炭素などの温暖化の原因のガスを、地下や海底に埋めて地球の温暖化を止めることだ。グラフはもちろん数学を使うので、『数学的アプローチによる、地球温暖化の防止方法』というタイトルにしたそうだ。ちなみに二〇一五年は、SDGs(エスディージーズ)が
そしてこの論文は大学の教授に認められて、
「すごいよね、翔真君。夢が
改めて翔真君を見てみると、八年前よりずっと
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