第二十六話
「僕だよ~。隆太だよ~」
少しイラついた声で、ななみは聞いてきた。
「隆太君? 一体、何の用なの? こっちは
隆太は再び、へらへらした表情で答えた。
「まだ午後九時だよ~。夜はこれからじゃないか~」
更にイラついた声で、ななみは聞いた。
「一体、どういうこと?!」
隆太はここが勝負どころだと、
「僕は、トランプを持ってきたんだ。
すると、ななみのキレた声がした。
「バカなこと言ってないで、早く寝ろ! 明日も大変なんだから!」
そして何かがドアに当たったのか、『バン』という大きな音がした。それには隆太もひるんだ。
だから仕方なく隆太は、
「そうか~、それじゃあ一旦、
「隆太さん、これからどうするんですか~?」
すると隆太は、
「まあ、こうなるのは
「ねえ翔真君、部屋から出てこない人を部屋から出すためには、どうすればいいか知ってるかい?」
「ううん、知りません~」
「寝室に閉じこもっている女子を、寝室から出す方法は一つ! 僕らが楽しそうにしてればいいんだよ~」
「おお~! なるほど~!」
隆太はスマホのボリュームを上げて、ユーチューブの音楽動画を
翔真は、聞いてみた。
「隆太さん、これって何の歌ですか~?」
「うん、これは
「はい~」
「それじゃあ、この歌にのって手を
翔真は元気よく、右手を上げた。
「はい! 分かりました!」
そして二人は、手を叩き続けた。
●
二日目。私は、ななみさんの声で目が
「さあ、皆、朝だよ~。顔を洗って
私は、ドアの
「隆太君、起きろ! もう朝だぞ! っていうか、まさかここで寝ていたのか?!」
「あれ、ななみちゃん? あれ、もう朝なの? なんてこったー! 午後十一時くらいまでは起きてたんだけど、途中で寝てしまったかー?」
ななみさんは、あきれていた。
「やれやれ、午後十一時まで起きていたの? 全く、今日も大変なのに……」
そして、ななみさんは
「
私は世界にいくつかある
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