第二十話
「やはり今年もやるのか……。『
私は、聞いてみた。
「何、言ってるの? 『千尋の谷』じゃなくて『お
宗一郎は
私には、やはり
「どうして、そう呼んでるの?」
「お前、『千尋の谷』って知ってるか?」
私は、ちょっと
「あー、何か聞いたことがあるような気がするけど……」
「教えてやる。ライオンは生まれたばかりの自分の子供を谷に突き落として、
「ふーん、そうなの。でもそれは今回の『お泊り会』とは、関係ないんじゃないの?」
「いや、正式名称『お泊り会』は、それだけ過酷だということだ」
私は、ものすごく
「どういうふうに?」
「まず、一つ目。『お泊り会』に先生たち、
私は少し考えてから、聞いてみた。
「ふーん。まあ、別にいいんじゃない? 食べ物があれば三日くらい、どうにかなるんじゃない? 私たち皆、料理はできるんだから」
「うん、それが問題なんだ……」
「え? どういうこと?」
宗一郎は、
「二つ目。ペンションには、三日分の
私は少し、
「え? それって、大丈夫なの?!
「ああ、飢え死にはしない。さっきも言った通り、人数分の米はあるからな。ご飯は食べられる。でもおかずが無いんだ。自分たちで手に入れるしかないんだ……」
それを聞いて私は、少し
ふと草間先生を見ると、先生は
●
次の日。大海の生徒たちは、午前八時に大海に集まった。持ってきていいのは
草間先生が
そして草間先生はマイクロバスに乗って、行ってしまった。私はこれからどうなるんだろうと不安になっていると、一人の
「さて、取りあえず中に入りましょう。
広いリビングに皆が集まると、女子生徒が
「えー、私は
今年の『お泊り会』の、
そして続けた。
「副会長は同じく、大海の高等部の三年生の
すると、ななみさんの横にいた男子生徒が、へらへらしながら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます