第十九話
まずは『
私は、
「それでは皆さん、ご
草間先生は
そして草間先生は、生徒一人一人に紙皿を渡し始めた。だが紙皿を受け取った私は、
「よう、
「え? どうして?」
「俺、苦手なんだよ。
「なるほど……」
少し考えてから、私は
「それじゃあ私のタマネギと、あんたのピーマンを
「何でだ?」
「私はピーマンは食べられるけど、タマネギは苦手だから。苦手な物を交換すると、それを食べなくても
「なるほど!」
そして私と宗一郎はタマネギとピーマンを交換して、お
私は、やれやれ、これで文化祭もやっと終わったかと
●
十月上旬。昼ご飯を食べ終わった宗一郎は、深いため息をついた。私は思わず聞いた。
「どうしたのよ、宗一郎。ため息なんて、あんたらしくないわよ?」
もう一度ため息をついてから、宗一郎は答えた。
「お前も知ってりゃ、ため息くらいつくよ。今年ももうすぐ、『あれ』があるはずだからな……」
「え? 『あれ』って何?」
「多分、今日あたり草間先生から発表があるよ……」と宗一郎は、またため息をついた。
その日の授業が全て終わると、草間先生から発表があった。
「えー、それでは皆さんに発表があります。今年もこの
そうです! 『お
草間先生が発表した後、教室がざわついた。私も明日からとは急な話だなとは思ったが、教室がざわついたのは別の理由だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます