第十五話
普通の学校は、
でも、大海は違う。小学部、中学部、高等部のそれぞれ六人から八人の生徒たちを、複数の先生たちが見ている。生徒がちょっとウザいってくらい、生徒と先生の
生徒はそれを分かっているから、大海で安心していられる。勉強もできる。友達と遊んで、他の学年の生徒の
私は少し、心配になった。
「え? 萌乃先生……」
「ごめんね、心配させちゃった? 私は高校まで別に、イジメられたとか、そんなことはなかったの。別に問題はなかったの。でも逆に、
でも大丈夫、だからどうこうしようと思っている訳じゃないの。っていうか、生徒たちが今、楽しそうにしていられるのは私たちががんばっているからなんだって思うと、すごく
夏休みの最終日の朝。私は夏休みの宿題のラスボス、
私は夏休みが終わる一週間前まで、自由研究のテーマを何にしたらいいかを考えていた。でも実は、あまり本気で考えていなかったのかも知れない。私は夏休みが始まると同時に、スタートダッシュをかけた。午前、午後、そして夜も私はひたすら国語、算数、理科、社会、英語のドリルをやった。
それが終わると三日かけて
夏休みが終わる一週間前。私は軽い気持ちで、
『ドリルと読書感想文は終わった。残るは自由研究のみ。楽勝(笑)』
『僕もドリルと読書感想文は終わったよ~。今は
『はあ、
『俺は前半、遊びすぎた。今、ドリルをやっている。読書感想文は終わったけど』
『あらまあ、それは大変ねえ(笑)』
『はっきり言うけど、
『え? どういうこと?』
『お前、自由研究、まだ終わってないんだろ?』
『そうだけど自由研究なんて、一週間もあれば……』
『はあ、分かってねえなあ、お前。大海の自由研究の恐ろしさを』
『え? 何それ?』
『夏休みが終わると、九月に
『え? 何をするの?』
『夏休みの自由研究の、
『え? 何それ?』
『
『え? そうなの?……。でも自由研究の発表なんて、よくあるじゃない?』
『はあ。分かってないな、お前は。草間先生は地域の人に、レベルの低い自由研究の発表を
『え? 自由研究のやり直し? そんなことがあるの?……』
『ああ、ある。っていうか俺は
『え? 二回も?! そんなにレベルの高い自由研究を
『ああ。それだけ草間先生は、文化祭の自由研究の発表に
『そ、そんな……』
『はっきり言って、二回のやり直しはきつかった。夏休みは終わったのに自由研究をやらなければならない苦しさが、お前に分かるか?……』
『ガクガク、ブルブル……』
『LINEを見る
『……。ど、どうしよう……』
『考えるしかない。草間先生を
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